「経営者の報酬」を減らして最低賃金を引き上げよ 衝撃!「中小企業の労働分配率80%」に潜む欺瞞
人口が減少する日本で個人消費総額を守るためには、持続的な賃上げが不可欠です。政府が持続的な賃上げを誘導する方法の1つに、最低賃金の引き上げという経済政策があります。
科学根拠をもって引き上げ方を決めたうえで最低賃金を引き上げると、以下のような効果が生じることが海外のデータ分析によって明らかになっています。
(2)個人消費が増える
(3)格差が縮小する
(4)女性活躍が進む
(5)生産性が向上する
(6)労働参加率が上がる
(7)設備投資が増える
(8)企業は倒産せずに儲かる
(9)財政が健全化する
このように、感情論ではなく科学的な分析をすれば、最低賃金の引き上げが非常に効果的な経済政策なのがわかります。
最低賃金の引き上げが効果的なのは、経済政策の基本中の基本が国民の所得を増やすことにあるからです。
最低賃金を引き上げれば需要が増えます。需要は供給を呼び、また供給が需要を呼び覚ますので、経済が好循環するのです。
この好循環の引き金を政府の直接支出に求めるか、最低賃金の引き上げに求めるかがよく議論になりますが、私は最低賃金を引き上げて、政府が経済を支える政策が理想だと考えています。
最低賃金の引き上げは世界の大潮流
海外ではここ最近、最低賃金が活発に引き上げられていますので紹介しましょう。
先進国のエコノミストの多くは、コロナ禍が落ち着いた後、1983年以来の経済ブームが起こると予想しています。Oxford Analyticsは、今年の世界経済が6%も成長すると予想しています。
コロナ禍の最中に、各国の政府が積極的に財政出動を行うことによって家計と産業を支えた結果、経済へのダメージは大幅に軽減されました。個人への支援が行われたことによって、個人所得はそれほど減らなかった一方で、外食や旅行、また娯楽活動が制限されたことによって、貯蓄率が大幅に上昇しました。コロナ禍が落ち着き、これらの制限が緩和されれば、貯まりに貯まった貯蓄が取り崩され、一気に消費に向かうことが予想されているのです。
日本でも同様の現象が起きることが期待できます。
このように楽観的な予測がされている中、海外ではさらに個人消費を活性化するための方策として、最低賃金の引き上げが大きな注目を集めています。
となると、最低賃金の引き上げはこれからの議論と思われるかもしれませんが、そうではありません。実は、2020年、さらに2021年においても、コロナ禍にもかかわらず欧米先進国の最低賃金は大きく引き上げられていました。
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