「経営者の報酬」を減らして最低賃金を引き上げよ

衝撃!「中小企業の労働分配率80%」に潜む欺瞞

非正規労働者は、多くの人が今回実際に経験したように、有事にはすぐに職を追われてしまうという大きなリスクを抱えながらも、異常に安い賃金で働いています。解雇リスクが高いのですから、そのリスクを勘案して、最低賃金を引き上げるべきです。

最低賃金の引き上げは、「デフレを脱却してから」「生産性を上げてから」「経済が成長してから」と言う人が最近目立ちます。調べると、経営者の利益を守ることに必死になっている中小企業診断士や中小企業のコンサルタントなどが、こういった主張をすることが多いようです。ですが、この意見はやはり間違いです。

国際的に見て「異常に低い」日本の最低賃金

仮に日本の最低賃金の水準が高ければ、彼らの意見も間違いではありません。しかし日本の最低賃金は、国際的に見て大変低い水準です。絶対的な水準も低いですし、相対的に見ても日本の最低賃金は異常に低いのです。

要するに、経済が成長しなくても、デフレから脱却しなくても、労働分配率を国際水準に近づけることは可能なのです。

逆に、最低賃金を上げた分だけ総需要が増えるので、デフレが緩和され、経済成長にも貢献します。そういう意味では、MMTを訴える人の多くがインフレ要因となる最低賃金の引き上げに反対していることは不思議です。

では、日本の最低賃金が国際的に見てどれほど低いかを確認しましょう。購買力調整後の絶対水準を見ると、日本は驚くことにトルコやポーランドより低いのです。韓国の最低賃金は日本の1.2倍で、台湾は日本の1.5倍です。

また、国際比較で最低賃金の水準を見る場合、購買力調整をして賃金の中央値と比較し、その比率を計算します。その水準で見ると、日本の最低賃金の水準は世界22位です。なんとメキシコより低くなっています。メキシコは、最低賃金を2019年に16%、2020年に20%、2021年に15%も引き上げてきたからです。

言うまでもなく、この比率が低くなるほど、最も高い賃金と最も低い賃金の幅が広がります。世界的に見て、社会の所得格差を決定するのは、最も高い賃金の水準より最低賃金である傾向が確認できます。つまり、最低賃金が低いと自ずと格差も拡大してしまうのです。

やはり、経済が成長しなくても、デフレを脱却しなくても、企業は今より高い水準の賃金を支払う余力はあるはずです。だったら、最低賃金を引き上げるべきです。

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