理科実験を導入する塾が体現する理想の中学受験 「うのき教育学院」は過当競争から一線を画す

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基本教材は、これまでは四谷大塚の「予習シリーズ」を使用していたが、2021年度4年生から栄光ゼミナール系列の「中学受験新演習」を使用することにした。短期的な点数にとらわれてほしくないので毎週末の週テストは受験せず、月例テストのみを受験する。模試は基本的に四谷大塚の「合不合判定テスト」を受験するが、6年の2学期以降は首都圏模試も利用する。

5年生まで土曜日に必修授業を設定していないのは、ぎりぎりまで習い事との両立をしてほしいからだ。5年生までは塾内での成績順も公表しない。時事問題や雑学系の知識を問う「うのきグランプリ」という大会も月1回行われる。4教科の成績ではパッとしない生徒にも光を当てる狙いがある。

テストの結果はもちろん、授業中・自習室での様子まで、1人ひとりの状況を把握し、少しでも異変があれば保護者と情報を共有し、塾と家庭での役割分担を決める。10~12歳の子どもが中学受験に挑むことの厳しさを知り尽くしたうえで、子どもにとっても親にとっても負担が大きくなりすぎないようにする優しい配慮の行き届いた塾である。

画一的カリキュラムやちまたの受験ノウハウと一線画す

「5人の専任講師で100人を見るのが精一杯。私たちの理想とする中学受験をサポートするには、いまの規模が最適です。規模を拡大するつもりがない分、さらに質を高めることに注力していきたいと思っています」

中学受験はときに子どもを壊す「悪の教育システム」だと思われがちだ。しかし私に言わせれば、中学受験そのものが悪いのではなく、大手塾の画一的カリキュラムやちまたにあふれる受験ノウハウに振り回されるやり方が悪いだけだ。

中学受験に必勝法などない。それぞれの子どもや家庭の事情に合わせた中学受験のやり方があるはずだ。それが「中学受験2.0」であり「中学受験必笑法」なのである。シグマTECHやうのき教育学院のようなブレない中学受験観をもつ塾に出会えれば、中学受験は親子にとってかけがえのない経験になる。

通常の学校用の机の約2倍の面積がある机を使用(筆者撮影)
おおたとしまさ 教育ジャーナリスト

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Toshimasa Ota

「子どもが“パパ〜!”っていつでも抱きついてくれる期間なんてほんの数年。今、子どもと一緒にいられなかったら一生後悔する」と株式会社リクルートを脱サラ。育児・教育をテーマに執筆・講演活動を行う。著書は『名門校とは何か?』『ルポ 塾歴社会』など80冊以上。著書一覧はこちら

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