「働かないオジサン」の境界線はどこにあるのか ケーススタディで考える若手社員の対処法

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Cさんは、「働かないオジサン」なのか

読者のツイートの中には、自分もAさんと同じような立場だと感じている人や、働かないオジサンに不満を持っている社員は多いという見解があった。A君の悩みは、身近というか、特別なことではないのだろう。

まず、A君が批判している出向者のCさんのことを考えてみたい。

Cさんについては、「定時に帰る事自体には何の問題もない」といった意見をはじめ、読者からの見解は「問題はない」ということでほぼ一致していた。営業と総務の仕事を安易に比較するべきではない、親会社とのパイプ役もひとつの役割だ、といった指摘もあった。

確かにCさんの仕事ぶりは、それほど問題がないように思える。

ところが、A君は、Cさんの定時退社や、上から目線での話し方、自分よりも給与が高いことに矛先を向けている。むしろ、自分の仕事への不満をCさんに投影していると言えなくもない。事務職の女性陣の批判も、真に受けすぎているきらいがある。

Bさんには、どのように対処すればいいのか?

一方で、Bさんについては、読者も「問題アリ」と考えている。

「A君は、経験のあるBさんに雑談時に昔話を聞いたり、仕事では親の面倒を見るくらいのつもりでどうだろう?」といった意見もあった。

何らかの形でBさんに関与すべきだという意見には、私も賛成である。ただし、この対応では少し優しすぎる。ここで留意すべきは、Bさんの姿勢が、A君の仕事自体に悪影響を与えているという事実だ。「必要な連絡がなかったりタイミングが遅れたりして、成約するチャンスを逃してしまうこともある」ということは見逃せない。

Bさんは、あくまでも現役の社員である。営業マンとして責任のあるエリアを任せられているのであるから、そのまま看過すべきではない。

A君は、元上司のBさんには直接は言いづらいだろうから、仕事がうまく回っていないことを、今の上司に相談してみるのがいいだろう。

Bさんの上司は、まずBさんの現在の気持ちを聞くことが大切である。いきなり本人を批判しても、なかなかうまくいかない。

期待する仕事のレベルを明確に示したうえで、そのレベルが達せられなければ、再度の配置転換もありうることも付け加えておかねばならない。硬軟両様の対応が必要であろう。

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