「新卒社員が辞めない会社」ランキングTOP300

「3年後定着率」の高い企業がしている取り組み

新卒社員の定着率が高い企業には、どのような傾向があるのでしょうか(写真:xiangtao/PIXTA)

大卒の約3割が、就職後3年以内に離職している。この傾向は新卒入社における「七五三現象」として知られている。おおまかな傾向として、新卒社員の3年以内離職率が中卒で7割、高卒で5割、大卒で3割となることを示した表現だ。

厚生労働省の「新規学卒就職者の離職状況(平成29年3月卒業者の状況)」でも、ここ数年の学歴別3年以内離職率は、中卒は約6割、高卒は約4割だが、大卒は3割台が定着している。

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しかし、中には新卒社員がしっかりと定着している企業もある。そこで、今回は『CSR企業総覧(雇用・人材活用編)』2021年版掲載の「新卒社員の3年後定着率」の最新データを基に、定着率の高い企業をランキングにした。ここでは、上位企業の傾向や特徴的な取り組みについて紹介していく。

なお、本ランキングは同誌の掲載企業1614社のうち、2017年4月入社人数(5人以上)と3年後の2020年4月1日時点の在籍者数を開示している1272社を対象としている。入社人数3人以上を対象とした詳細な同ランキングは『CSR企業白書』2021年版に掲載している。

定着率100%で人数最多は島津製作所

ランキング1位は定着率100%の企業が71社並ぶ。もっとも人数が多いのは分析・計測機器大手の島津製作所で98人。同社は、2017年からノー残業デーを週3日として、曜日ごとに「スキルアップ」「ヘルスケア」「コミュニケーション」などのテーマを設定するなど、社員の健康増進やコミュニケーションの促進に取り組んでいる。

2019年度時点における年間総労働時間は1749.6時間と調査平均の1968.9時間より200時間以上短い。残業時間も月平均7.1時間だ。働きやすい環境が新卒社員の定着につながっている。

続いて44人と多いのが総合不動産大手の三井不動産。同社は資格取得や語学習得などに関する支援のほか、若手総合職全員を対象とした海外語学研修なども実施している。また、若手社員を対象に新規事業提案やベンチャー企業出向などの成長機会を多く提供している。

さらに総合水処理大手の栗田工業が37人で続く。同社はフレックスタイム制度の導入や10時間以上の勤務間インターバル制度の試行など、柔軟な働き方を実践している。また、従業員幸福度調査による課題把握にも取り組んでいる。

総合不動産大手の三菱地所も31人で上位。年間総労働時間は1800時間と不動産業の調査平均である2020.1時間よりも短い。また、業務時間の10%を業務外のチャレンジに充てることができるほか、新規事業提案制度を導入するなど、社員の主体的な事業創出を支援している。

そのほか、アルバック(28人)、アシックス(24人)、戸上電機製作所(23人)、萩原工業(23人)などが定着率100%で続く。

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