「新卒社員が辞めない会社」ランキングTOP300

「3年後定着率」の高い企業がしている取り組み

わずか1人が辞めたために100%に届かなかったのが72位バンダイナムコホールディングス(99.0%)。98人入社して3年後に97人が在籍。同社は「面白さで勝つ人材経営」を標榜し、能力主義による人材登用を行っている。グループ各社で、自由選択型研修や早朝英語活動など社員の自主性を重視した制度を導入している。

73位の電通グループは入社145人で2人退職したため定着率は98.6%。ただ、女性新卒社員の定着率は100%で、女性入社人数の63人は最多だった。同社は2005年からキャリア両立支援の専門部署を設置し、法定を上回る育児休業制度を整備してきた。近年は配偶者出産休暇の日数を拡大するなど男性の育児休業取得にも取り組んでいる。

以下、74位で田辺三菱製薬(98.5%)、75位にジーエス・ユアサ コーポレーション(97.9%)、INPEX(97.9%、旧国際石油開発帝石)などが続く。

転職が一般化しても重要な指標

また、ランクインした企業のうち、3年前の入社人数が1000人以上だったのは、みずほフィナンシャルグループ(2409人、143位)、トヨタ自動車(2254人、216位)、東日本旅客鉄道(1204人、171位)、三菱電機(1126人、197位)、日本製鉄(1056人、292位)の5社。いずれも定着率は90%以上だった。

このうち入社人数が最多のみずほフィナンシャルグループは、全社一斉の定時退社日や退社目標時刻、フレックスタイム制度を導入している。傘下のみずほ銀行では営業店の課長ポストを若手社員から公募するなど、若手の登用にも取り組んでいる。

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新卒社員が定着している企業がある一方、以前よりも転職は一般化してきている。厚生労働省「労働力調査」によると、転職者数はコロナ禍直前の2019年に過去最多となった。とくに若手世代の増加が目立つ。

また、コロナ禍を受けて副業・兼業制度やジョブ型雇用の広がりにも注目が集まっている。こうした変化は、人材の流動化や新卒社員の定着率低下につながるかもしれない。

ただ、新卒社員の早期離職は、労働条件や職場の人間関係への不満などネガティブな理由による場合が多い。極端に定着率が低い企業には、そうした問題が潜んでいる可能性がある。

ジョブ型雇用が広がったとしても、社会経験の少ない新卒社員が着実にスキルを習得できる環境として、定着率が高い企業は良好な選択肢となる。企業と学生、両者のミスマッチを減らすためにも、定着率は引き続き注目すべき指標だ。

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