採用か除外か、「JPX日経400」の狭き門

存在感を高める株価指数が企業の意識改革を迫る

ただし、銘柄入れ替えでは、それに伴って発生する入れ替え売買による市場へのインパクトを、ある程度抑え込むための措置もある。400銘柄のうち、算出順位が401位以下ではなく、440位以下になった銘柄が除外され、その銘柄数だけ新たな銘柄が選ばれるという工夫だ。

こうした仕組みに基づいた試算はすでに行われている。新規の採用が見込まれる銘柄は野村証券金融工学研究センターの試算で、除外が予想される銘柄は市場関係者の試算に基づいて本誌がまとめたもの(表)。採用銘柄は、大和証券も野村証券とほぼ同様の試算結果を出している。

ROE向上の圧力

採用予想銘柄の中で、「上場から3年以上」という条件をクリアした大塚ホールディングスとカルビー以外は、リーマンショック後の厳しい決算期に代わり、2013年度の好決算が算出要素に取り入れられたことによるROE改善効果が、大きく順位を押し上げた格好だろう。今後、銘柄選定にもたらすROEの影響度が投資家の間で強く認識されれば、「企業にはROE向上に向けたプレッシャーがかかる」(田村浩道・野村証券チーフ・ストラテジスト)。

さらにそれを促進するのは、資産運用分野でのJPX400活用の動きに違いない。同指数の導入後、日本最大級の機関投資家である年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が、資産運用のベンチマークに同指数を採用した。ほかにも、同指数関連のETFや投資信託が次々に組成されている。東証は11月には同指数の先物取引を導入する予定であり、「これで流動性が向上し、ETF、投信の残高が増えるなど、ポジティブなスパイラルがさらに形成されるだろう」と、大和証券の橋本純一・投資戦略部クオンツチーム次長は見通している。

株式市場では指数の採用銘柄と非採用銘柄の間に市場流動性の違いが生じ、それが株価面にも反映され、ひいては増資による資金調達コストにも影響を及ぼしかねない。

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