カルビーが中国戦略を転換、中国合弁は1社で展開へ
国内スナック菓子1位のカルビーは9月24日、中国事業の戦略を転換すると発表した。現地の康師傳方便(カンシーフホウベン)食品投資(中国)、伊藤忠商事の3社と、合弁で設立する予定だった「天津カルビー食品」(天津市)の設立をとりやめる。
天津カルビー食品はカルビー51%、康師傳45%、伊藤忠商事4%の出資比率で、7月に設立、12月に営業開始する予定だったが、会社設立そのものをやめる。天津には、10月に設立を予定している(13年1月事業開始)の「杭州カルビー(出資比率は天津カルビーと同じ)」の支社として「天津分公司」を設ける。
合弁会社の資本金については、杭州カルビーの資本金2000万ドルは据え置いたまま。設立をとりやめて浮いた天津カルビーの資本金2000万ドルは今後の中国事業の投資に回す意向、だと同社は伝えている。
2社に分けるはずだった中国子会社を1社にまとめることで「経営の合理化を進め中国市場をより迅速に開拓したい」とカルビーは説明する。ただ、当初、カルビーは天津合弁設立の記者会見で「地方政府と緊密な連携をとるために中国各地に事業会社を設立する方針」と答えていた。
しかし、6月ごろから社内で中国事業のスピードアップを検討開始し、「華東(上海エリア)の市場のほうが華北(北京・天津エリア)よりも大きく、華東の市場をより攻めたい」(同社)と方針変換があったという。中国合弁一本化の裏側に何があったか詳細は不明だが、杭州は計画通り13年1月から、天津の支社については生産開始時期を遅らせ13年6月から「じゃがビー」などの製品の生産を開始することになる。