コロナ禍で「輸入バイク」の販売が絶好調なワケ ハーレー、BMW、ドゥカティなどが軒並み好調

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今回は、登場したての「250アドベンチャー」に試乗。ヨーロッパ生まれということもあってシートは高めだが、KTMらしいエッジの効いたデザインと活発な単気筒エンジンの組み合わせは、日本車とはひと味違う存在感で、これも身近な輸入車として人気を博しそうに思えた。

ヨーロッパのライバルを迎え撃つハーレーも王座奪回を図るべく、新型をいくつか送り出している。フル電動モーターサイクルの「ライブワイヤー」と、アドベンチャーツアラーの「パンアメリカ1250」だ。

ハーレーダビッドソン「パンアメリカ1250」。価格:231万円~(筆者撮影)

ライブワイヤーは、急速充電システムCHAdeMOにも対応するなど、日本市場を考慮した仕様で昨年12月に日本で発売された。電動車らしく、約3秒で時速100km/hに達する強烈な加速力を持つ。ちなみにライブワイヤーは、ハーレーから独立したブランドとなるという情報が出されている。

一方のパンアメリカは、伝統のV型2気筒という形式を守りつつ、水冷化するなどゼロから開発した新型エンジンを搭載。今回は展示のみで試乗はできなかったが、デザインもヨーロッパのアドベンチャーツアラーとは違うテイストを持っており、どのような走りを味わわせてくれるのかに注目している。

もっとも「自由」を満喫できる乗り物として

もちろん、2輪車にはネガティブな要素もある。なによりも大きなネガティブ要素は、交通事故を起こすと自らの命を落とす可能性が高くなることだ。

昨年の都道府県別交通事故統計で、ひさしぶりに死者数ワースト1になった東京都では、22人増えて155人になったうち歩行中が10人、自動2輪車運転中が8人、原付運転中が4人プラスとなっており、2輪車の事故が増加に関与していることが明らかになっている。

しかしながら、2輪車は機動性に優れ、渋滞緩和に貢献するうえに、操る楽しさが満喫できる。そして、モビリティで重要となる「自由」をもっとも満喫できる乗り物の1つでもある。

その魅力をより満喫するには、輸入車が1枚上であることを今回の取材であらためて教えられるとともに、明確な個性はそのままに、乗りやすさを増した車種が多くなっていることにも好印象を抱いた。

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森口 将之 モビリティジャーナリスト

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もりぐち まさゆき / Masayuki Moriguchi

1962年生まれ。モビリティジャーナリスト。移動や都市という視点から自動車や公共交通を取材。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。著書に『富山から拡がる交通革命』(交通新聞社新書)。

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