コロナ禍で「輸入バイク」の販売が絶好調なワケ ハーレー、BMW、ドゥカティなどが軒並み好調
2021年4月の小型2輪車の新規登録台数9929台だが、そのうち輸入車が2481台と約4分の1を占めている。同じ月の4輪の輸入車は1万6417台で、18万2760台を販売する日本車の1割以下である。
データはないが、軽2輪や原付にも輸入車はあり、ほとんどすべてが日本車となる4輪の軽自動車とは、大きく異なる状況になっているのだ。
ハーレーを上回る勢いのBMW
では、どんなブランドが売れているのだろうか。ここでは日本自動車輸入組合(JAIA)が4月に開催した、輸入2輪車試乗会・展示会で取材した車種とともに紹介していこう。
少し前まで、輸入2輪車のシェアの約半分は、アメリカのハーレーダビッドソンが占めていた。しかし、近年はヨーロッパ勢が躍進しつつある。トップに位置するのは、自動車でもおなじみのBMW(ドイツ)で、最近は月によってはハーレーを上回るときさえある。
BMWが数を伸ばしている理由は、幅広いラインナップによるところが大きい。
普通自動2輪免許で乗れるモーターサイクルやスクーターから、4輪のBMWのアイデンティティである6気筒エンジンを積んだ大型ツアラーまであり、スクーターはフル電動も用意している。
100年近く前の創業時から使い続けてきた水平対向2気筒エンジンと、チェーンではなくシャフトで力を伝えるドライブトレインを残していることも特徴だ。このあたりは、水平対向6気筒リアエンジンの「911」を作り続けるポルシェを思わせる。
最新作は今回試乗した「R18」で、1800ccという大排気量の空冷水平対向2気筒を積んだ、ハーレーを思わせる大型クルーザーだ。
しかし、アクセルを捻ると車体が左に傾いたり、低回転での鼓動が回していくにつれ収束していったりするなど、伝統の水平対向エンジン+シャフトドライブならではの味も色濃く残っていた。
続く3位は、長年イタリアのドゥカティが占めていたが、近年はイギリスのトライアンフが躍進している。
理由として考えられるのは、2つ。1つはレトロな雰囲気を好むユーザーの増加に、昔からの伝統を継承する“モダンクラシック”と呼ばれるシリーズが応えていること。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら