「ひょうたんで食中毒」事件のお粗末な全容

観賞用の苗をなぜ食用の表記で販売したのか

観賞用品種のひょうたん苗に、なぜか「食用できる」という表記があった(写真はイメージ アフロ)

ひょうたんから出てきたのは、駒ではなく、あってはならないアクシデントだった――。

DIY用品や園芸、日用品などをチェーン展開する「ロイヤルホームセンター」(大阪市西区)は7月13日、奈良市内の店舗で販売した「ひょうたん苗」から育った実を食べた奈良県の40代女性が、腹痛、嘔吐、下痢などの食中毒症状を起こし、7月8日から2日間入院していたと発表した。

なぜ食中毒になったのか

ことの顛末はこうだ。ロイヤルホームセンターは、関東や京阪神などの11府県30店舗の園芸コーナーで、本来は観賞用の品種であるにもかかわらず、「千成瓢箪」など3商品を食用できる旨の表記で販売していた。販売期間は2013年4月19日から6月下旬、2014年4月18日から6月下旬ごろまで。販売個数は3072に上った。

この苗を購入した人が、収穫したひょうたんの実を知人である40代女性にお裾分けしたところ、疑いを抱かずに飲食してしまった。食中毒の原因物質は、ひょうたんに含まれ、吐き気やしびれをもたらす植物性自然毒のククルビタシン類だという。

ロイヤルホームセンターはホームページ(HP)上などで謝罪し、「飲食は絶対に控えて」と呼び掛けている。購入者には返金に応じる意向だ。

誤表記が発生した原因は、奈良県内の生産者が、食用でない「ひょうたん苗」のラベルに「育てて楽しい、食べておいしいシリーズ」と印字して出荷したため。ロイヤルホームセンターでは、トマト、カラーピーマンなど、昨年からこのシリーズを取り扱っており、ひょうたんについて自らが食用かどうかを確認せず、誤表記のラベルのまま販売した。同社はチェック体制を強化するほか、商品知識を含めた社員教育を徹底し、再発防止を図っていく。

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