ところが、コロナの感染拡大を報じるニュースが日に日に大きく報道されるようになった。2月にダイヤモンドプリンセスの船内感染がわかって以降は、驚くほどの速さで国内感染が広がっていき、4月には緊急事態宣言が出された。
由果はコロナにとても敏感だった。コロナの感染拡大が日に日に深刻化していく中で、LINEのレスは来るのだが、まったく義孝に会おうとはしなくなった。そして、会えないままに約4カ月が過ぎた。LINEでのやりとりはできている。せっかく築いた関係をダメにしてしまうのが惜しい気持ちと、このまま関係を続けていても結婚にはたどり着かないのではないかという思いが交錯した。
あるとき、義孝から連絡がきた。
「コロナはいつ終息するかわからない。この様子だと結婚までたどり着くのにそうとうな時間がかかる。会えていないから、彼女の気持ちが離れているのも感じています。ここで交際終了にしようと思います」
由果と付き合っていた半年以上の月日は無駄になったのだが、おそらくあのまま彼女と付き合っていたとしても、コロナが終息していない今の状況を見ると、今も結婚できていないだろう。
結婚は、“決断”であり、どんな状況下においても結婚が決断できない人は、たとえその状況が解決されても、結婚を決断することはない。
相談所を休会にして、あなたと付き合いたい
昨年秋に見合いした蒼子(仮名、37歳)は、大手の結婚相談所に入っていた。お見合い後交際に入り、交際は順調だった。ところが年が明けて2月に入ると、蒼子からこんな申し出があった。
「カウンセラーさんが、親身になって相談に乗ってくれないし、もう義孝さん以外の人とお見合いをする気もないんです。月会費を払っているのもバカバカしいし、相談所は一旦休会しようと思います。休会するけれど、義孝さんとは、このままお付き合いをしていたい」
これは、明らかに規約違反だ。私は義孝に言った。
「義孝さんが彼女を大切に思っているのなら、2人のことは応援したいけれど、結婚相談所において、休会する会員とお付き合いを続けるのは、ルール違反だし、彼女もそれは知っているはずですよね」
休会中は会費を払わなくていいし、義孝と「交際中」になっているサイトの表示は「交際終了」となる。それでも義孝と会い続け、成婚になったとしたら、そのまま相談所を辞めてしまえれば、成婚料を支払わなくて済む。蒼子は、そう考えたのかもしれない。
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