中国の「海航集団」傘下13社で1兆円損失の衝撃

航空会社の海南航空控股はA株赤字記録を更新

海航集団(HNAグループ)傘下の上場企業全13社の2020年決算が4月30日までに出そろった(写真は海航集団傘下の海南航空のウェブサイトより)

破産再編手続中の中国の複合企業、海航集団(HNAグループ)傘下の上場企業全13社の2020年決算が4月30日までに出そろった。財新記者の調べによると、この13社の売上高は合計4427億900万元(約7兆4419億円)、当期純損失は合計947億7300万元(約1兆5931億円)に達した。

そのうち、航空会社の海南航空控股の純損失は640億300万元(約1兆760億円)となり、A株(上海・深圳の証券取引所で取引される人民元建て株式)の赤字記録を更新した。

さらに、世界最大のITディストリビューターであるアメリカのイングラム・マイクロを所有する海航科技は、海南航空控股に次ぐ97億8900万元(約1646億円)の損失を計上した。このほかにも、空港インフラ事業を行う海航基礎設施投資集団が77億3700万元(約1301億円)、世界三大航空機リースの一角を占める渤海租賃が77億400万元(約1295億円)、小売りの大集集団が45億3900万元(約763億円)、海南省海口市で飛行場運営を行う香港上場の海南美蘭国際空港が11億1600万元(約188億円)とそれぞれ多額の損失を計上している。

上場企業の損失は海航集団の破産再編に関連

これらの上場企業の多くの損失は、親会社の海航集団の破産再編に関連している。1月29日、海航集団は公式ウェブサイト上で、海南省高等裁判所から「返済期限を過ぎた債務の不履行を理由に、関連債権者が裁判所に海航集団に対しての破産再編を申請した」との通知を受け取ったと発表した。その後、海航集団の子会社320社が破産再編手続きに統合された。(詳しくは、債務危機の「海航集団」、破産申立で法的整理へ、を参照)

本記事は「財新」の提供記事です

海南航空控股を例にとると、海航集団の破産再編により、海南航空控股はグループのファイナンスカンパニーである海航集団財務公司に保有する預金・関連会社向け売掛金・その他未収金および保証債務に対して299億9600万元(約5042億円)の貸倒損失を計上するとともに、金融資産・固定資産についても、減損処理・評価替えに伴う損失として122億9300万元(約2066億円)を、株式投資損失として92億6500万元(約1557億円)を計上した。

さらに海航科技は、海航集団などのグループ会社の借入金に対する連帯保証を提供していたことから、2020年に50億2000万元(約844億円)の債務保証損失を計上した。海航基礎設施投資集団は与信費用と減損処理による損失として34億7400万元(約584億円)を計上し、大集集団は長期保有株式に係る減損引当28億4300万元(約478億円)と貸倒損失46億5100万元(約782億円)を損失として計上した。

(財新記者:黄栄、趙夢婷)
※原文の配信は4月30日

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