「羽田就航延期」の豪ヴァージン、コロナで破綻 オーストラリア2番手、経営不振に追い打ち

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ヴァージン・オーストラリアの羽田就航決定記念イベントで「寿司」とともに現れたヴァージングループのリチャード・ブランソン氏=2019年11月、ブリスベン空港(写真:ヴァージン・オーストラリア)

経営不振が深刻だったオーストラリアの航空会社、ヴァージン・オーストラリア(VA)が新型コロナウイルスの感染拡大による需要の急減で手詰まりとなり、ついに事実上経営破綻した。コロナの影響による大手航空会社の破綻は、これが世界初のケースとなる。

同社の取締役会は4月20日、現状で破産状態にあると判断したことから、日本の民事再生法に当たる「任意管理手続き」の適用申請を行うと決定。翌21日に、オーストラリア証券取引所(ASX)を通じ、正式に発表した。運航は継続する。

VAは羽田空港への乗り入れを決めており、ANA(全日本空輸)と提携して3月下旬から東部ブリスベンとの間を毎日運航する予定だったが、新型コロナの影響により延期していた。

英ヴァージンが出資

では、このVAとはどんな会社なのだろうか。

航空業界で「ヴァージン」といえば、日本にもかつて乗り入れていたイギリスのヴァージン・アトランティック航空(VS)という会社を記憶している人も多いことだろう。VAもヴァージン・グループが出資している。

グループの総帥は、宇宙旅行ツアー用飛行機の開発や、気球での世界一周に挑んだことでも知られるリチャード・ブランソン氏だ。同グループはイギリスを中心に、航空事業をはじめ通信IT業界や金融業にも積極的に進出。航空業界では過去30年あまりにわたって、既存航空会社の枠にとらわれない奇抜なPRスタイルでVSを育ててきた。

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