--近年の採用環境の変化についてはどうお考えですか
一人っ子が増えて家庭内での競争がなくなり、少なくなった若年層を市場とする教育ビジネスにパラダイム変化が起こりました。その結果、若年世代は減少しましたが、進学率が向上し、大学生の絶対数は増加という現象が発生しました。まず、採用担当者はこの市場変化を認識しなければなりません。世の中全体として「働く気持ちがあるの」という若者が増えていることは間違いないでしょう。そこから言えることは「来る人を待って、そこに来た人から採用できればいい」という考え方では、駄目ということです。フックを掛けにいく行為、つまり会いにいくための汗はかかねばなりません。
--御社の場合、離職率はどれくらいですか
採用サイトの会員ページの中でも3年間での早期離職率はディスクローズしています。2007年4月入社で申し上げれば、全国型採用198人の中で辞めたのは今のところ1名です。全国型・地域型全体700~1000名規模で採用する企業としては、定着率は高いかもしれません。しかしながら、自分が採用し第一線に配置した人がミスマッチで退職するのは採用担当として最も残念なことです。この数字はゼロにしたいと常々考えています。
--グループ全体の採用戦略はいかがですか
ミレアグループに属する各社としては、採用に共通のプラットフォームは必要なく、それぞれの会社が自社の戦略に則った人事体系で取り組むべきだと考えています。共通することは、経営資源と企業の成長がシナジーを発揮していくうえで、人材調達手段の多様化はもはや欠かすことができないという一点だけだといえるでしょう。事業環境が劇的に変化していくなかで、人・モノ・金の使い方が変化しないことなどありえません。採用においても人材調達手法の変化、多様化はかならず起こります。募集方法や募集メディアをリサーチし、ポートフォリオ化した上で、経営資源と連動できる人材が最も出現しやすい機会を定量的に示すことが、私たち採用戦略を考える人間に求められるのだと思います。
--貴社の採用戦略は今後どうなりますか
グループ全体の中での当社の位置づけが今後変化することも当然ありますので確定的なことは言えませんが、コア部分は新卒というのが基本になると思います。新卒採用を中心に据えながらも、成長戦略のエンジンとなる人材をスピーディに調達することがより一層求められるでしょう。
【このひとにお話をおうかがいしました】 中尾誠樹(なかお・まさき) 東京海上日動火災保険株式会社 人事企画部人事・採用グループ課長(兼ミレアHD人事部MG) 1990年4月入社 入社後に配属された本店営業部第8部1課でコマーシャル営業に携わった後、1994年から三河支店自動車営業課でディーラー営業を担当。1998年からは北海道本部開発室で本部スタッフ業務を担当。2003年より採用担当。2005年より現職。 採用担当に着任後、就職と採用の原点と考えていたOB訪問が「ホームページやセミナーにその主役の座を取って代わられていた」現状にショックを受けたという。現在、採用コンセプトとして掲げる「会おう話そう」は「純粋になぜホームページだけで会社がわかるのか」という当時の疑問が原点となった。リアルなコミュニケーションを推進することにより「応募してくる学生さんの質的なバラツキは間違いなく減少しました」と自信を深める。また、採用担当として今まで1600人を超える社員を第一線に配属。「その人のタイプや特徴はほとんど記憶している」という。「自分が採用した人が成長し、立派に仕事をしているのは最高のやりがい」だと語る。
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