「副業をしている人」がハマりやすい落とし穴 妻がいるなら副業する前にやるべきことがある

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幸田さんは「お金の計画」を見直す必要がありますが、具体的な方法として

① 必要貯蓄率は変えないで支出を抑える。
② 実行できる必要貯蓄率を求め直す。
③ 収入を増やして貯蓄に回す。

などを行わなければなりません。

支出を抑えるためには、不要な保険の見直し、通信費、食費、娯楽費などが多すぎないかを検討します。必要貯蓄率を下げるには、例えば老後生活費率(x)を60%にすると必要貯蓄率は17%となります。現役時代にゆとりを持たせる分、老後生活費は25万円に下がります。あるいは働く期間を70歳まで延ばすと、老後の期間が短くなるので、必要貯蓄率を14%に下げることができます。老後生活費は26万円です。今後は「70歳までの高年齢者就業確保措置(努力義務)」により長く働くことが可能になりますし、長く働けばその分受け取れる年金も増えますので有力候補です。

収入を増やすためには、長期的な視点でライフプランを考えてみることです。幸田さんの場合、奥様が正社員で働くことも検討してみてはとお伝えしました。

キャリアアップとワークライフバランスを考慮すべき

厚生労働省の賃金構造基本統計調査(2020年)によると、雇用形態間の賃金格差はいまだに大きく、正社員を100とした場合、非正規雇用(男女)で66.3となっています。今後、「同一労働同一賃金」の動きが進むことで、これまでの年功的な賃金上昇とは変わってくるかもしれませんが、老後受け取る老齢厚生年金額も年収や被保険者期間によって変わってきますので、なるべく高い賃金でより長く働けるようにすることは大切です。

副業する場合は、本業でのキャリアアップを熟慮し、ワークライフバランスや働き方の柔軟性なども総合的に考えて検討するとよいでしょう。副業で得たお金を無計画に使ってしまわないように、「必要貯蓄率」を明確にすることも忘れずに。

人生に必要なお金をつくるのは、計画的にゆっくり合理的な方法で貯蓄運用していく以外にはありません。目先のことだけを考えずに、どのような人生を送っていくか、長期的な視点で考えてみてください。今後ライフプランに変更が生じたらお金の計画も立て直してみてください。家族とコミュニケーションをとり、「必要貯蓄率」を求めて実行しましょう。

岩城 みずほ ファイナンシャルプランナー・CFPⓇ

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いわき・みずほ / Mizuho Iwaki

特定非営利活動法人「みんなのお金のアドバイザー協会(FIWA)」副理事長。金融商品の販売によるコミッションを得ず、お客様の利益を最大限に、中立的な立場でのコンサルティングほか、講演、執筆を行っている。
慶応義塾大学卒。NHK松山放送局を経て、フリーアナウンサーとして14年間活動後、会社員を経てFPとして独立。著書に増補改訂版『人生にお金はいくら必要か』(山崎元氏と共著・東洋経済新報社)、『やってはいけない!老後の資産運用』(ビジネス社)、『「保険でお金を増やす」はリスクがいっぱい』(日本経済新聞出版社)、『結局、老後2000万円問題ってどうなったんですか?』(サンマーク出版)ほか多数。HP

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