婚活で「妊娠」「不妊」が赤裸々に語られる理由 センシティブだが、避けては通れない話題

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一郎さんは経済力があり、家を4つほど所有していました。しかし、前妻との子どもたちには財産をあげたくないそうで、新しい女性との間にできた子どもにあげたいといいます。

しかし、その子を1人前に育て上げるまでには20年以上はかかるわけです。そのとき、一郎さんは80代後半になります。「教育費などのお金は残るの?」と聞くと、「家を1軒ずつ売ればいいんですよ」と笑う。1軒ずつ売っちゃったら、結局その子に遺す財産はないですよね。「まず子どもがほしい」という発想が先で、そこまでは考えがいたっていないのかもしれません。

知識やデリカシーが欠けている男性も

ことこのテーマに関しては、知識やデリカシーに欠けている男性が少なくないと感じます。例えばある女性は、お見合い相手の50代男性に、「私はすごい性欲があるんだ。アンタ、子どもほしいの? この前、病院に行ったら『20代の男と同じくらい精子がある』って言われたから、1人ぐらい産んでもらってもいいと思ってる」と大きな声で言われたそうです

また別の女性は、やはりお見合いの席で「キミはもう30代半ばだから、子ども2人ほしいなら連続で産まないとね。生理はいつ? 排卵日の前後3日間は出張は入れないでね。高齢出産なんだから、それくらい覚悟しないとダメだよ。わかってんの?」と叱られたとか⋯⋯。

婦人科系のよくある持病を明かしたところ、「この人は子どもが産めないんだ」と勝手に解釈して破談にした男性もいました。逆に、40代半ばの女性に対して「大丈夫だから、一緒に妊活がんばろう」と前のめりになりすぎて、女性のほうが「私、責任取れないです。気が重いです」と引いてしまい、お断りしたケースも。

人生において「妊娠」「出産」は非常に大事なことです。婚活の場においては、「子どもを持つか・持たないか」も含めて、男女がきちんと知識を身につけ、お互いに冷静に話し合うことが重要です。

植草 美幸 恋愛・婚活アドバイザー、結婚相談所マリーミー代表

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うえくさ みゆき / Miyuki Uekusa

1995年にアパレル業界に特化した人材派遣会社エムエスピーを設立。そこで培ったマッチング能力・人材発掘力を生かし、2009年に結婚相談所マリーミーを設立。結婚相談業のほか、セミナーの開催、テレビやラジオへの出演など、アラサー・アラフォー男女を「幸せな結婚」に導くために幅広く活動中。『ワガママな女におなりなさい 「婚活の壁」に効く秘密のアドバイス』(講談社)、『「良縁をつかむ人」だけが大切にしていること』(諏内えみさんとの共著、青春出版社)、『結婚の技術 (中央公論新社)、『モテ理論』(PHP文庫)など。

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