フジテレビ女子アナを「ステマ」と叩く人の盲点 問題は色々あるが世に曖昧なものは溢れている
もし芸能人なら出演料として報酬が支払われていたかもしれませんが、会社員であるからかアナウンサーたちには、それがありませんでした。法的な問題も詐欺的な手法も見当たらず、頻度の多さを問題視する向きは理解できるものの、図式としては、一般人のカットモデルが店のインスタグラムに掲載されているケースとさほど変わらないのです。
また、店サイドに目線を移すと、これはインフルエンサーを使ったマーケティング戦略であり、大きな問題はないでしょう。ただ、同じ会社に所属する7人もの女性を対象にしたこと、繰り返し行い続けてきたことが、「やりすぎ」という悪い印象を与えてしまいました。
こういうときは必ずと言っていいほど、「報道に関わるアナウンサーは中立性が求められ、説得力がなくなるから、いかなるサービスを受けてはいけない」という声が挙がりますが、これは100かゼロかの極論であり、過剰な懲罰感情そのもの。利害関係の薄い他人であり、公職ではないビジネスパーソンに対して制限をかけすぎであり、社会的な影響の出るレベルのもの以外は、そこまでの清廉さを求める必要性はないでしょう。
もともとテレビ局におけるステマの概念は、あいまいなところがあり、今回はフジテレビだけがやり玉にあがっていますが、どのテレビ局も似たような状況があるのです。
グルメ番組はすべて「ステマ」?
たとえば現在、情報番組やバラエティーでは、外食チェーン、コンビニ、ファストファッション、雑貨や家電メーカーなど、大手企業関連の特集が多く、売り上げランキングをクイズ形式で出題したり、新商品を紹介したりなどの企画が量産されています。これらは「無料で商品の提供を受けて宣伝する」「番組で取り上げることが広告出稿(報酬)につながる」などの意味で、「ステマに近いものがある」という見方もできるでしょう。
さらに言えば、グルメ番組で飲食店を取材するとき、スタッフが料金を払うことはほとんどありません。また、芸能人が、あるメーカーを取材したとき、「ぜひ使ってください」と商品をプレゼントされることが当たり前のようにあります。加えて、これらの取材時に芸能人やアナウンサーが写真を撮ってSNSにアップするケースがよく見られます。
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