コストコが年4840円の会費を取る本質的な理由 収益構造の分解から見えてくる儲けのカラクリ

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注目してもらいたいのがコストコの収益構造だ。2021年度の第2四半期を例にするならば次のようになる。

●売上高:439億ドル
●商品の仕入れ:391億ドル
●販売費及び一般管理費:43億ドル

売上高から、商品の仕入れを引き算し、さらに販売費および一般管理費を差し引くと、利益はほとんど残らないように思える。

そこで出てくるのが、先にあげた年間会員費収入だ。これが利益の大半を占めている。さきにあげた構図に1つ加わる。

【収益】
●売上高:439億ドル
●会員費収入:9億ドル
【費用】
●商品の仕入れ:391億ドル
●販売費及び一般管理費:43億ドル
*なお四捨五入の関係で、必ずしも実際の値と合致しない。

 

これで計算すると、営業利益相当額が14億ドルとなる。彼らのビジネスモデルは、顧客を囲い込み良質な商品を提供する。それに付加するサービスも提供する。その一環としてフードコートなどでのホットドッグも挙げられる。

ギリギリの原価で販売しても構わない

極端な話、実際の商品自体は、ギリギリの原価で販売しても構わない。コストコを楽しんでもらい、翌期も会員に継続してくれれば会員費収入が得られ、それが安定した利益に直結していくモデルになっているのだ。

それにしても興味深いのは、売上高に対する仕入原価の高さだ。彼らは高品質をうたっているが、たしかに原価で見てもあながち間違いではないだろう。実に、391億ドル÷439億ドルで約90%の原価率となっている。

昨年、アリババは中国の上海に倉庫型の会員制店舗を開店したと報じられた。これはあきらかにコストコを意識したものだろう(なお、中国へコストコは2019年に上陸して好評を博している)。ただし顧客制度は、有料会員であり続けたいと考える顧客の熱狂、利便性、品揃えなどに左右される。形態だけではなく、顧客の心もつかめるかはこれから注目していきたい。

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