B鉄道での対応はありがたかった一方、A鉄道で係員から注意されたときには、私は「なぜこんなことを言われなければならないんだろう」と心の中で反発した。しかし、B鉄道の対応はむしろ例外であるし、A鉄道の係員も注意はしても駅構内で写真撮影することまで禁止はしなかった。
一部例外はあるにせよ、過去、現在において駅構内での撮影は許されてきた。時に係員が撮影に対して配慮してくれることもある。昔国鉄がキャンペーンを展開した「いい旅チャレンジ20,000km」では、対象線の起点と終点の駅名標とともに参加者が写真を撮るということを条件としたから、むしろ鉄道側も駅構内での撮影を前提としていたともいえる。
乗客や係員の姿と列車がある駅は鉄道写真の撮影ポイントであるし、いわゆる車両の形式写真撮影にもホームでの撮影はうってつけである。しかも、駅構内に入場するのには入場券かきっぷを持っていればよく、複雑な受付も不要である。鉄道写真を撮る者からすれば駅は最高の撮影ポイントの1つである。
管理権は鉄道会社にある
しかし、あくまでも駅構内の管理権は鉄道会社にある。駅構内をどのように利用し、利用させるかの第一次的な判断権は鉄道会社にある。通常、駅構内に正当に立ち入ることのできるきっぷを持っている者の入場を拒絶することはないが、それは“駅を利用してくださるお客様”だからであって、列車を撮影してもらいたいからではない。
鉄道写真を駅構内で撮影できるのは、あくまでも構内の管理権を持つ鉄道会社の厚意ということを今一度考えるべきである。有効なきっぷを持っていたとしてもそれは輸送や入場の対価を支払っているだけであって、傍若無人に駅構内で振る舞える権利を鉄道会社から購入しているわけではない。
無人駅であっても同じである。無人駅では改札口できっぷを確認することはなく、立ち入りについてはフリーパスのことが多い。しかしだからといって無制限に許しているわけではないし、好き勝手することまで許しているわけではない。たとえば無人駅のホームで無許可でバーベキューなどしていいはずがない。
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