いつまで続く?ルネサスの構造改革 "チーム作田"が推し進める大胆リストラの行方
昨年10月には、自動車用マイコンを手掛けるライバルの米フリースケール・セミコンダクタで日本法人社長と本社副社長を務めた、高橋恒雄氏を執行役員常務としてルネサスに迎え入れた。高橋氏をグローバル・セールス・マーケティング本部のトップに据えて、海外顧客の獲得を狙う方針だ。
高橋氏を引っ張ったのは親会社の産業革新機構とみられるが、実際に面接を行ったのは作田会長と鈴木俊英・執行役員常務だった。鈴木常務は村上ファンドなどを経てオムロンで企業情報部長を務めていたが、昨年5月にルネサスに入社。「会長社長特命事項担当」としてトップを支えている。
総仕上げのリストラは2016年度か
こうしたリストラの効果もあって、足元のルネサスの業績は持ち直しつつある。2013年度は3期ぶりの営業黒字に浮上し、最終赤字も52億円に縮小した(2012年度は1675億円の最終赤字)。2014年度は、悲願である最終黒字への期待も高まる。
だが、これで一息、というわけにもいかなさそうだ。復調の牽引役となっているのは主力の自動車用マイコンや産業用向け半導体だが、業績持ち直しの背景にはルネサス固有の事情もあるからだ。
現在、ルネサスは生産拠点の再編に伴って、生産終了品の作りだめを行っている。「作りだめは今年がピーク。4~6月期だけで数十億円のプラス影響がある」(柴田英利・執行役員常務)。つまり、来年度や再来年度には、その反動減が見込まれる。
2010年のルネサス発足時に4万6600人いた従業員は、子会社売却などの影響もあり、今年3月末時点で2万7200人まで減っている。だが今後、生産部門と設計部門の再編にメドがつけば、「スリム化した組織内に余剰人員が出てくることも考えられる」(ルネサス幹部)。
作田会長が目標として繰り返し強調するのは「2016年度の営業利益率2ケタ」。その前後のタイミングで、総仕上げのリストラが実施される可能性もありそうだ。
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