いつまで続く?ルネサスの構造改革 "チーム作田"が推し進める大胆リストラの行方

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ルネサスは発足から丸4年が経つが、各工場は日立製作所、三菱電機、NECの母体会社から引き継いだまま、労働条件が統一されていなかった。生産能力の大幅なスリム化に伴い、4月1日付で前工程会社と後工程会社を設立することで組織を簡素化している。これと同じことが設計・開発部門でも実施されることになる。

外資も顔負けの大胆リストラ

過去に何度も大規模な人員削減を繰り返してきたルネサスだが、抜本的な組織再編には手をつけていなかった。昨年6月にオムロン会長からルネサスへ移った作田会長は、しがらみにとらわれず、工場や設計拠点の再編といった“外科手術”に取り組んでいる。

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作田会長(右)が率いる現在のルネサス。生え抜きで取締役に残るのは鶴丸社長(左)だけだ(撮影:梅谷秀司)

あまりに大胆な構造改革への評価はさまざまで、「投資ファンドの米KKRが買収した方がまだよかったのでは」(別の半導体メーカー幹部)といった声も漏れてくる。

昨年9月末に官民ファンドの産業革新機構が1383億円を出資し実質国有化が完了したが、背景には主要取引先であるトヨタ自動車などの意向が大きく影響している。

ルネサスが外資ファンドに買収されると、製品ラインナップの見直しや値上げ交渉をされる可能性が高まると懸念したためだ。だが、取引先の期待とは裏腹に、ルネサスは昨年から生産品目の絞り込みと、それに伴う値上げ交渉を実施している。

外資も顔負けの大胆なリストラを進める“チーム作田”。経営陣の顔ぶれも様変わりした。取締役5人のうち、生え抜きは鶴丸哲哉社長のみ。執行役員11人のうち半数はルネサス出身者だが、母体会社の日立・三菱・NECの出身者でたすき掛け人事が行われていた頃とは隔世の感がある。

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