ぼんやりの時間 辰濃和男著
ジャーナリストである著者は、何かと忙しい現代人の生活が人心を荒廃させているとし、“ぼんやり”と過ごす時間の大切さを説く。そして、さまざまな先人の生き方から、「ぼんやりすること、休むこと、懶惰(らんだ)であること、閑なこと、それらをたのしむことのすばらしさ」を学ぼうとする。登場するのは、串田孫一、H・D・ソロー、深沢一郎、ミハエル・エンデ、ターシャ・テューダーなどなど。
同時に、ぼんやりを追求することは、近代文明への警鐘にもつながっていく。近代化と都市化は私たちの暮らしを便利にはしたが、はたして豊かにしたか。少なくとも急速に地球環境を破壊したことだけは事実であると。優れた文明論としても読める。
岩波新書 756円
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