JPモルガンが課題山積の新興国通貨を売り推奨 米国債利回り上昇で新興国の借入コストも増大

拡大
縮小

新興国通貨の見通しが一段と暗くなりつつあるとJPモルガン・チェースはみている。

ストラテジストのジョナサン・グールデン、サード・シディキ両氏は新興国通貨を「アンダーウエート」に引き下げることを推奨した。その理由の1つとしてウクライナを巡るロシアの緊張を挙げた。またトルコやブラジルの国内政策のほか、中国の成長鈍化や資金流入の伸び悩みも新興国通貨の試練だと言及した。

ドルが今年に入って回復していることも影響しており、ブルームバーグが追跡する24の新興国通貨のうち22通貨が下げる要因となった。米国債利回り上昇も新興国の借り入れコスト増大につながり、国内債券相場を押し下げている。年初来のマイナスはナイジェリアで24%、トルコは16%、ブラジルで13%に達する。

両氏は電子メールで配布したリポートで「新興国の国内リスクは徐々に変化してきている」と指摘。「新興国通貨は現行の為替相場と金利水準のどちらからでも資金を呼び込みにくいだろう」と分析した。

原題:JPMorgan Flags Geopolitics as Reason to Sell Emerging Markets(抜粋)

著者:Selcuk Gokoluk

関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT