"観光大国"フランスを支える意外な武器 パリでは年におよそ400回も開催
フランスは「見本市の国」。パリを中心に見本市がひっきりなしに行われている。ビジネスフランス語の教科書をめくれば、仏語で「見本市」を意味する「salon(サロン)」という言葉がやたらと目に付く。
モーターショーや、パリ郊外のル・ブルジェ空港で開催される「航空ショー」は世界にも広く知られている。しかし、それだけではない。農業、ワイン、建設機械、菓子、インテリア、ファッションなど、見本市の領域は多岐におよぶ。
パリでは年間で約400の見本市が開催されており、来場者は計900万~1000万人を数える。
集客力の強さは、欧州の中心部に位置するという地理的な優位性に起因する面が大きい。
パリは欧州の“カルフール”(フランス語で「交差点」の意味)。交通の要衝であり、パリと国内各地や周辺国の主要都市を高速鉄道の「TGV」が短時間で結ぶ。空の玄関口、シャルル・ド・ゴール空港はオランダ・アムステルダムのスキポール空港と並ぶ「ハブ」の位置づけだ。
各企業の見本市への出展意欲もきわめて旺盛だ。
パリ・イルドフランス地方開発局の「業界向けコンベンション・イベント」部門総代表を務めるジャン=リュック・マルゴ=デュクロ氏は「欧州経済の先行きが不透明であっても出展への影響はない」と言い切る。
日本企業もファッション、インテリア、農業、書籍などに関連した見本市に多く出展している。
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