"観光大国"フランスを支える意外な武器 パリでは年におよそ400回も開催

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フランスのモーターショー(2012年)には、東京モーターショー(90万人、2013年)を上回る123万人が詰めかけた

観光立国を目指す日本。6月の「観光立国推進閣僚会議」では、訪日外国人を2000万人(現状の約2倍)にするための行動計画もまとめられた。だが、世界一の「観光大国」フランスには、日本の8倍以上の約8300万人(2012年)が詰めかける。なぜここまで違うのか。突き詰めて考えていくと、日本にとって、いくつかのヒントが出てくる。 

経済停滞が長期化しても、モーターショーは盛況

フランス・パリで2012年に開催された国際モーターショー(隔年開催)には、出展企業の関係者、バイヤー、一般の来場者を合わせて約123万人が詰めかけた。東京モーターショーの約90万人(2013年)を上回り、今や世界最大規模の集客力を誇る。

ユーロ圏でドイツに次ぐ2番目の経済大国、フランスの景気回復の足取りは鈍い。2014年第1四半期(1~3月)の実質国内総生産(GDP)は前期比0.0%。“ゼロ成長”となった。

雇用環境も依然厳しく、同年5月の失業率は10.1%。25歳未満だと22.5%に達する(欧州委員会統計局)。およそ5人の若者のうち、ひとりが職に就けない状態だ。

こうした経済状況を反映し、国内の自動車販売も低迷。乗用車の新車登録台数は2009年をピークに2013年まで4年連続で減少した。昨秋からようやく上向いてきたが、それでも低空飛行が続く。

だが、隔年で開催されるパリのモーターショーの会場はあたかも別世界のよう。多くの来場者でにぎわいをみせる。同モーターショーのティエリー・エス専務理事は「経済が厳しいからこそ、そこに夢を求めてやってくる人たちが多いのではないか」などと分析する。

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