「技術に土地勘ない人」が絶対知るべきDXの根本 感情的に判断するのではなく「正しく恐れる」
クラウドが「他人任せで不安」という日本企業
DXを実現するインフラとなっているのが、インターネット経由でさまざまなサービスを提供するクラウドだ。ネットの世界で進むオープン(「誰でも・何にでも」使えるという考え方)とクラウドは表裏一体――オープンがクラウドを進歩させ、クラウドがオープンを求めるという関係だ。
しかし、そのクラウドが他人任せで不安という人もいる。多くの場合、この手の人はオープンに対しても消極的である。若い世代では少ないが、特に日本の大企業の意思決定者の多くにその傾向があり、報道がそれに加担して、日本の企業でのクラウドの利用が世界に比べ、遅れた大きな理由となっている。
例えば、2019年8月23日にクラウドの分野で、世界最大手のアマゾンの東京地区でのサービスが6時間から10時間という長時間にわたって止まった。そのためクラウドを利用しているPayPay(ペイペイ)などのサービスが停止した。そうすると日本の報道の多くは「だからクラウドは危険」というような捉え方をする。
しかし「クラウドは危険だから、システムを所有し自前で管理すれば問題は起きない」などという話はない。むしろ、クラウドの大規模障害は珍しいからこそニュースになるのだ。
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