方向感のない日経平均の先行きに潜む「リスク」 いざというときの日本企業の備えはあるのか

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先行きの諸材料を展望しても、とくに株価を上にも下にも大きく動かす決め手となりそうなものが見当たらない。

当初、今年の市場を展望した際は、もっとダイナミックに短期の株価下振れが生じ、その後はすっきりと株価が上昇軌道に復する、という予想を立てていた。だが、このままだと、今後もだらだらとした相場つきが続く可能性も高まっているように思われる。

すると、しばらくはとくに買い材料がないのに何となく心理的に日本の株価が上昇し、そのすぐあとにとくに売り材料もないのに何となく株価が下落する、ということが繰り返えされそうだ。そんなことが継続しているうちに投資家の売買が冷え込んで、出来高も盛り上がらない、という推移が続きそうに懸念される。

そうした方向感を失った短期上下動を繰り返しながら、じわじわと上値と下値を切り下げつつ、慢性的でだらだらした弱気相場が続くのではないか、と気が重くなっている。

リスクがあるとすれば「中国関連」か

一方、すぐではない(今週や来週といった時間軸ではなく、まだずっと先)のことだと見込むが、日本株にとっての株価下落のリスクとして最も気になるのは、中国関連だ。

最近まで、中国は習近平主席の訪米を進めようとの動きがあったと推察される。そして、そのための準備として、バイデン政権発足後、早めに閣僚級会議を開きたかったのだろう。

実際、3月18日には米中閣僚級(外相級)が、アラスカ州で行われた。「なぜワシントンでも北京でもなくアラスカで?」と思った方も多かっただろう。

それは、その直前に、アメリカの国務長官と国防長官が、日本や韓国を訪れており、アメリカ側は「その後ワシントンに帰る途中でアラスカに寄るが、そこまで中国側がやってくるなら会ってもいい」という姿勢だったといわれている。

そうした姿勢であっても、中国側は閣僚級協議を主席訪米の布石としたいため、不満はありつつアラスカに足を運んだのだろう。ところが、この閣僚級協議は冒頭から非難の応酬となり、結果として習主席の訪米は予定が見えなくなったといえる。

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