日経平均「3回目の3万円台」に付きまとう不安 3万円定着と行きたいが「気になる指標」がある
3月19日の日銀金融政策決定会合での政策点検結果の「衝撃」は、決して小さくなかった。
一部ではうわさされていたこととはいえ、いざ「ETF(上場投資信託)買い入れについてはTOPIX(東証株価指数)銘柄に限定する」ことが決まると、当日の日経平均株価は急落し一時600円安となった。その後もファーストリテイリングを中心とする値がさ株の売りが続き、日経平均は3月24日までの4日連続安で約1800円の下げを記録した。
3月25日以降は、個人投資家の年度末配当取りや、ファンド筋の再投資期待の買いで同じく4日間で約1000円の戻しが起きたが、不安定な相場となっていた。
「日銀ETFショック」は乗り越えた
しかし、すでに出ていたアメリカのジョー・バイデン大統領の経済支援策(約1兆9000億ドル)に加え、「2兆ドルのインフラ投資」が発表されたが、隠し玉ともいえる半導体支援対策が打ち出されたことが大きかった。
この隠し玉に反応して半導体・ハイテク株が買われると、4月1日にはナスダックだけではなく、投資家が運用基準とするS&P500種株価指数も買われ、ついに初の4000ポイントに乗せ、史上最高値を更新した。
それを受けて2日の日本株も大幅高で引けたわけだが、注目すべきはTOPIXの上昇率0.7%に対して日経平均は1.6%だったことだ。さらに、日経平均寄与度の最も高いファーストリテイリングの上昇率は2.9%であった。前出の「日銀ETF買いがTOPIX銘柄に限定される」ということで始まった、いわゆる「日銀ETFショック」は完全に乗り越えたことになる。
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