日経平均「3回目の3万円台」に付きまとう不安 3万円定着と行きたいが「気になる指標」がある

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では、今後はどうなるだろうか。ここで、筆者が昨年から最も重要視している指標の1つとして、長期線の代表的なテクニカル指標である200日移動平均線との関係を挙げておきたい。

コロナショック後、今年の2月16日の終値ベースでの高値3万0467円までの軌跡をたどると、200日線との距離感が非常に重要なのがわかるからだ。

簡単に、昨年3月のコロナショックから振り返ってみよう。株価が急速に回復したのは周知のとおりだが、日経平均の200日移動平均線に対するマイナス乖離は2月27日から長期間続き、プラス乖離に転換したのは同5月28日のことだった。

しかも、日経平均はそれ以降も200日移動平均線に時々タッチしながら、同線からの「上方乖離率1桁以内」が同10月末まで続いた。

それが一変したのは、同11月2日からの8連騰からだ。高いと見て空売りに出た勢力を巻き込みながら、200日移動平均線の上方乖離率はその後2ケタになり、その後も10%を切ることなく進むことになる。

200日線との「乖離率20%台」は「要注意」

ただ、さすがにその強さも、乖離が20%を超えるとピタリと止まる状態が昨年末まで続いた。ここで形成されたのが「12月の2万6000円台のモミ合いゾーン」だ。

このゾーンは昨年の大納会前日の714円高の「掉尾の一振」で2万7000円台をつけ、乖離率も22%台に達した。その後は翌日からの4日連続安となり乖離10%台に戻ったものの、年初もNYダウの3日連続の史上最高値などに誘導され、日経平均も2021年1月7日から5連騰。結局2万7000円台は、わずか6営業日の「モミ合いゾーン」の形成で通過する。

日経平均は次に「2万8000円台のモミ合いゾーン」を形成した。このときの200日線との最高乖離は1月14日の約24.6%だった。だが、やはりアメリカ市場の好調に追随する格好で、日経平均は2月8日の603円高で2万9000円台となった。

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