神戸・神出病院、凄惨な虐待事件から見えた難題 患者をなぶりまくる精神病院の驚くべき実態

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警察の捜査とは別に、神戸市も2020年2月から7月にかけ、神出病院に対して計6回の臨時の実地指導を実施した。そこでは刑事事件となったケース以外にも、数々の違法行為の存在が明らかとなった。

本来、隔離や身体拘束などの行動制限は、精神保健指定医の指示の下でなされるのが大前提だが、同院では指定医の指示のない中、看護師らによって漫然と制限が行われていた。また隔離は患者ごとに個室で対応することが必須だが、同院では患者4人を2週間超にわたり1つの部屋に閉じ込め、ドアをガムテープで留めて出られないようにもしていた。

神戸市も動いた

神戸市は2020年6月、病院職員約200人を対象に、虐待に関するアンケートを実施した。病院を通じて配布されたが、返信は市に直接届く形で匿名回答も可能であり、内容を病院側に知られることはない。それにもかかわらず、回収率はたったの3割強にとどまった。「市は病院に完全になめられている」と関係者は憤る。

寄せられた回答では、上記のような違法な隔離を「やったことがある」「見たことがある」との答えが約3分の1、今回の虐待事件についても「聞いたことがある」とする職員が複数いた(同年12月以降実施した2回目のアンケートでも回答率はまだ6割弱だった)。

こうした内容を踏まえ、神戸市は同年8月、病院に対して改善命令を出し、職員の研修強化や通報の徹底など改善指導が始まった。だが、関係者の怒りはまるで収まらなかった。病院側の一連の不誠実な対応に、その翌月に招集された市の精神保健福祉専門分科会では、「解体的出直しが必要」などと、医療団体や家族会など委員全員から厳しい声が相次いだ。

強い批判に驚いた神戸市当局は、以下のような方針を示した。

・ 病院長の精神保健指定医資格の取り消しを国に要請
・ 病院の第三者検証委員会について委員を推薦して市もオブザーバー参加
・ すべての入院患者と家族に対し転院・退院の意向確認を行う

などだ。神戸市会(市議会)も障害者虐待防止法の通報義務対象に医療機関を入れるよう国に求める意見書を全会一致で議決した。

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