ウィーンで「日本の抹茶」人気が急上昇した理由 国内では茶園の「高齢化」が進み縮小傾向だが…

拡大
縮小

「オーガニックスーパーで緑茶や、抹茶の30g缶や袋などがよく売れています。コロナ禍で健康に留意する人が増え、健康に良い緑茶、抹茶に注目が集まったためと思われます。購買層は、女性比率が高く8割。とくに20-40代のゾーンが強いですね」

オーストリアだけでなくヨーロッパ全体で抹茶への好奇心が高まっているという。

「抹茶が受けいれられているのは、ヨーロッパのメガトレンドにマッチしているからです。メガトレンドとは

  • ①環境にやさしいこと
  • ②身体にやさしい(健康に良い)こと
  • ③ビーガン、ベジタリアンというライフスタイル
  • ④SNSなどを通じたおしゃれなライフスタイル

です。こうした背景のなかで、メガトレンドにマッチした日本茶・抹茶は広く普及してきています」

あいやのオーストリア現地法人の様子(写真:あいや提供)

同社が展開してきた抹茶、緑茶のPRの内容も大きく変わった。5年前はメディアを通じて抹茶とは何かについての説明風のPRだったのが、今はSNSを通じて、「身体にやさしい抹茶」「おしゃれなライフスタイルを実現する商品」として訴求している。

こうした取り組みが奏功し、人気拡大につながっているというのだ。

オーストリア「経由」での広がりも

さらに静岡県の業界関係者はこんな興味深い話をしてくれた。

「ウィーンには5年前からビジネスで毎年訪れていましたが、日本から輸出している分のすべてがオーストリアで消費されているわけではありません。オーストリア経由でチェコ、スロバキア、ポーランド、ハンガリーなどの東欧・中欧圏に流れているのです。

2019年の商談会にも各国のバイヤーが来ていましたよ。東欧・中欧圏の生活水準はまだ高くないのですが、いいものにはお金を使う傾向があるんです。堅実なパリ市民とは違う(笑)。オーストリアだけでなく東欧・中欧圏も含めると、日本茶・抹茶の潜在マーケットは、いまの何倍にも膨らむんじゃないでしょうか」

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