ウィーンで「日本の抹茶」人気が急上昇した理由 国内では茶園の「高齢化」が進み縮小傾向だが…

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輸出総額の52%を占めるトップ・米国での日本茶人気はすでに知られているところだ。2000年代以降、健康志向で日本茶がブームに。今では全国チェーンのスーパーにも普通に置いてあり、抹茶、抹茶ラテ、抹茶アイスを楽しめるカフェも多い。

日本茶輸出促進協議会が2017年にまとめた米国での消費動向調査によると、ロスの日系小売店へのヒアリング結果として

消費者の中では、抹茶が肌と美容にいいと聞き、それを試したく購入している人が過半を占める模様。その次に多いの消費者は、抹茶にすでに慣れ親しんでいる日本人

といった記述がある。その一方で、日本人には信じられない話だが、スーパーなどで加糖の甘い緑茶飲料も販売されているところが、いかにもアメリカらしい。

コロナ禍において日本茶の輸出が伸びた背景について、ある貿易関係者はこう語った。

「やはり健康志向の高まりでしょうね。昨年は、緑茶に含まれるカテキンの一種であるエピガロカテキンガレートの抗ウィルス作用が話題になりました。コロナ禍が深刻化する中で、海外でも緑茶を飲む習慣が注目されたのではないでしょうか」

コロナ禍における日本茶の輸出増加を物語る興味深い仮説である。

輸出量・額とも急拡大のオーストリア

2020年の日本茶輸出データで注目すべきは、前年の順位が23位だったオーストリアが13位に大幅アップしていることだ。詳しい数量、金額の変化はこうだ。

2019年 輸出量:5132㌔    金額:4187万円   ㌔あたり単価単価:8159円
2020年 輸出量:1万7970㌔ 金額:1億6481万円  ㌔あたり単価:9171円

絶対量、絶対額では米国に遠く及ばないが、この1年で量で3.5倍、額では3.94倍に大幅に増えている。単価は米国向け4346円の倍以上である。

輸出品の中身をみると、オーストリア向けは全て粉末状の製品となっている。こうしたことから、毎月、輸出状況をまとめている日本茶輸出促進協議会では「輸出茶種をみると粉末状が100%であり、単価が9000円を超えていることから、オーストリアは純正の抹茶を輸入している」と分析している。

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