その意味で、「スチュワードシップコード」(機関投資家の行動指針)導入は重要だが、政府に言われないとそれをやらない投資家が株主では、言われたから質が高まるとは思えず、効果は疑問だ。そして、金融そのものが、このような位置づけなのである。
「アイディアがあって、あとはカネさえつけばいいものが生み出せる」という企業や起業家があふれていれば、成長のボトルネックは金融ということになるが、日本はそうではない。逆であり、問題があるとすれば、そのような企業が不足しているということだ。
GPIF改革とは、運用改善の方法を考えること
そして、地方に眠っている、あるいは眠らされている、あるいは技術が定年や引退で失われているのを放置する、あるいはいまだにその技術に依存している企業の体制や経済社会の体制に問題があるのであり、金融を活性化し、投資家を活性化したところで経済は成長しない。
経済成長とは人を成長させることにより、経済も企業も成長することである。一方、GPIF問題とは、この「人を生み出す社会を支える年金財源確保」の問題であるから、成長戦略ではなく、どうやって運用収益を増やすか。それだけに集中すべきであり、日本の成長にも、日本の株価にも無関係に運用改善の方法を考えるべきであり、それだけがGPIF改革の戦略となるのだ。
その結果として、人々が知識と知恵を蓄積し、経済に貢献することによって、経済は成長していくのである。
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