近畿圏にも波及した、人手不足の深刻度

親戚総動員で何とか開業にこぎ着けた居酒屋も…

“食いだおれの街”大阪を中心とした近畿圏でも、人手不足が深刻になり始めた(写真:Bloomberg)

「もう延期するしかない」――。2014年1月、福井県で居酒屋チェーンの開業準備を行っていた、海原忠夫さん(仮名)は苦渋の決断を下した。

1年以上かけて店舗候補地を探し回り、ようやく繁華街の一角に確保できた。店内もFC(フランチャイズ)本部に求められているより、ちょっとだけ贅沢に改装した。なのに、である。

パート、アルバイトが集まらない。とてもではないが、家族だけで店を切り回すことは不可能だ。アルバイト募集の時給単価も上げてみた。それでも、店舗を運営するにはとても足りない。悩みに悩んだ末、開店を1カ月延期することにした。

その間もロイヤルティは発生する。海原さんは方々に頭を下げ、兄弟や甥っ子、姪っ子、従姉妹やはとこまで親戚を総動員し、何とか開業にこぎ着けた。だが、今後もこのまま続けることができるのか、不安は尽きない。

6割の企業が人手不足に悩む

景況感の回復に2020年の東京五輪に向けた特需が加わり、人手不足が深刻化している建設業界。「マンション計画の延期」や「引き渡しの先送り」など、その影響が報じられる機会も増えた。同じように、飲食業界でも「アルバイトが集まらない」「人件費がじわじわ上昇している」などの声をよく聞くようになった。

波紋が広がっているのは東京だけではない。首都圏に比べると人手不足が緩やかといわれてきた近畿圏でも、徐々に逼迫度が高まっているようだ。大阪商工会議所が、会員企業のうち資本金10億円以下の中堅・中小企業を対象に実施した「雇用状況に関する調査」から、その現状を分析してみた。

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