ロヒンギャとミャンマー国民に見た和解の兆し 学生連盟が「謝罪文」、共通敵「国軍」を前に協調

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バングラデシュのロヒンギャ難民キャンプで、ミャンマーの抗議デモに賛同の意思を示して3本指を立てるロヒンギャの子供たち(写真:フェイスブックより)
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過去、ミャンマーに横たわってきた難解な問題に地殻変動が起きていることを予感させるような動きが起きている。国際社会ではその実態が強く非難されながらも、これまで多くのミャンマー人が口を閉ざしてきたイスラム系少数民族ロヒンギャ問題に対して、明確な「謝罪」の意が、ミャンマー市民から草の根レベルで発表されたのである。クーデター前には想像ができない事態だ。

発信源は、首都ヤンゴンの第一医科大学学生連盟。3月26日、彼らが(現地メディアを通じて)発表したのが、ロヒンギャに向けての「謝罪文」だ。

以下のように訳せる内容だ。

「ラカイン州の危機において、軍が少数民族ロヒンギャに対し、民族浄化や掃討作戦を行ったため、ロヒンギャの命が犠牲となり、家屋が破壊され、避難を余儀なくされた。

その行為に対し、第一医科大学学生連盟は効果的に圧力を掛けたり、反対したりすることもなく、不当行為に対して沈黙を守ってきたことで、結果として民族浄化に加担することとなった。今、第一医科大学学生連盟一同は過ちであったことを認め、慚愧に堪えない思いで後悔している。愛おしい我が兄弟姉妹である民族、ロヒンギャの正義に目を瞑ったために、今日のような残酷な不当行為が行われ、その結果を被ることとなっていると自認している。

第一医科大学学生連盟一同は、自らの過ちを認めて謝罪すると共に、今後は抑圧されているカチン族からロヒンギャにいたるまでのあらゆる民族、マイノリティーの声につねに耳を傾け、正義のもと可能な限り正面から積極的に行動していくこと、(また革命が目指すべき目標を達成し、連邦制民主主義において正義を取り戻すまで)決して諦めることなく粘り強く同胞の民族、兄弟である国民と共に、闘い抜く覚悟であると決意し誓う」

そして、最後に力強くこう書かれていた。——「正義は勝利する」

ミャンマーの第一医科大学学生連盟によるイスラム系少数民族ロヒンギャへの「謝罪文」 (写真:Khit Thit Media)

異例のミャンマー市民からの「謝罪文」にロヒンギャは

この「謝罪文」をソーシャルメディア上で目にしたというバングラデシュのロヒンギャ難民キャンプで暮らす20歳の男性は、歓喜の声を上げた。

「ロヒンギャの学生として、これ以上幸せなことはありません。真実と正義のもと立ち上がってくれたことに最大限の感謝を示したいと思います。私たちは、この野蛮なファシストの政権を倒し、私たちの国に繁栄ある未来が来るように夢見たいと思います」

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