ミャンマー国軍による「クーデター」不吉な兆候 昨年11月の選挙結果に不満を募らせていた
ミャンマー与党の国民民主連盟(NLD)を率いるアウン・サン・スー・チー国家顧問と同氏の補佐官らが、クーデターの噂が国中で飛び交う中、2月1日の早朝の奇襲で拘束されたと報じられている。
NLDの当局者は、同日朝、拘束を確認したが、50年近くにわたり国を直接的に支配してきた国軍は、これについて、あるいは、権力を掌握したかどうかについて、声明を出していない(編集注:その後国軍は正式に政権を掌握したと発表)。
主要都市では携帯やネットがつながらず
ミャンマーの少なくとも2つの主要都市では、携帯電話ネットワークとインターネットがつながらない状態になっているもようで、一部の地元ジャーナリストらは、自身の報道が安全を脅かしかねないことをおそれて、身を潜めた。国内線のフライトは運休した。
ミャンマーは、NLDを政権に引き入れることになった2015年の選挙結果を受けて、国軍の司令官らが進んで民間人に権力を譲ったまれな事例として称賛されてきた。
NLDの幹部らは、国軍に政治的に反対してきたことを理由に、何年間も刑務所で過ごしてきた。同政党の守護神的存在のスー・チー氏は、15年間自宅軟禁生活を送り、彼女を閉じ込めた軍事政権に非暴力で抵抗したことで、1991年にノーベル平和賞を受賞している。
しかし、ミン・アウン・フライン司令官いる国軍は、国の重要な権力のレバーを握り続け、2月1日の政府トップ指導者の拘束は、その民主主義への献身が嘘であったことを証明しているようだ。