ホンダ「フィット」がイマイチ売れない理由

同社の軽自動車「N-BOX」との競合も要因か?

一方、エンジンで発電し、モーターで走行するハイブリッドシステム「e-POWER」のみの設定となったノートでは、WLTCモードの燃費が2WDで28.4km~29.5km/L、4WDが23.8km/L。フィットは、1.5Lガソリン車と2モーターを擁するハイブリッド「e:HEV」搭載車を用意するが、WLTCモードの燃費がガソリン車で17.0~20.4km/L、ハイブリッド車では23.2~29.4km/Lだ。

燃費のよさでフィットやノートをリードするトヨタのヤリス(写真:トヨタ)

特に、ヤリス・ハイブリッド車の燃費は、ほかの2車に比べ、格段にいい。しかも、これはカタログ上の数値だけでなく、実燃費もあまり変わらないらしく、トヨタの某販売店でも「燃費のよさでハイブリッドを購入する」ユーザーは多いと聞く。ただし、フィットやノートの燃費も決して悪いわけではなく、ヤリスがよすぎると言うほうが正解だろう。

そのほか、衝突被害軽減ブレーキをはじめとする先進の安全装備や運転支援システムなども、3車ともに充実している。装備的には、3車はほぼ互角で、フィットにも前述の荷室の使いやすさなど、ライバルより有利な点も多いのだ。

価格面での優位性も低いが、それが敗因ではない

もっとも、ヤリスには1.0Lガソリン車に先進安全機能を非搭載にし、価格を139万5000円に抑えたエントリーグレードもあり、フィットで最も安いグレード(1.5Lガソリン車のベーシック)の155万7600円より安い。ハイブリッド車のみを設定するノートでは、最安グレードでも202万9500円はする。

フィットのリヤスタイル(写真:ホンダ)

ただ、ヤリスのガソリン車とハイブリッド車の販売比率はほぼ5対5だというから、安いガソリン車があるからといって、ヤリスが売れているとは言い難い。もちろん、価格ラインナップの幅広さは、業務用車の需要なども考慮すれば、販売台数上では有利だ。ヤリスが1位となることは納得できる。だが、かといって安くても200万円以上するノートに、フィットが負けていることの説明にはならない。

フィットの販売台数が伸び悩んでいる原因について、ホンダの某販売店がヒントをくれた。同じホンダの軽自動車「N-BOX」が競合しているというのだ。セールス担当者によると、「フィットは、よくN-BOXと比較されます。N-BOXは、室内が広いため使い勝手がよく、車両の価格帯も実はフィットに近いんです。軽自動車のほうが維持費も安いということで、結局はN-BOXを購入される方も多いですね」という。

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