ホンダ「フィット」がイマイチ売れない理由 同社の軽自動車「N-BOX」との競合も要因か?
先代の3代目フィットは、2013年に発売。パワートレインと車体を完全新設計することで、居住性や燃費性能などを格段に進化させた。特に、ハイブリッド車には、新開発のハイブリッドシステム「SPORT HYBRID(スポーツ ハイブリッド) i-DCD」を搭載し、走行状況に応じてモーターだけで走る「EVドライブ」、エンジンとモーターを使う「ハイブリッドドライブ」、エンジンのみの「エンジンドライブ」といった3つの走行モードを設定。36.4km/L(JC08モード)という当時ホンダが「国内最高」とうたった低燃費と、全域でレスポンスがいい走りを実現した。
だが、残念ながら3代目は、販売台数で1位となった実績はない。発売翌年の2014年には2位になったものの、トヨタ「アクア」や日産「ノート」などのライバル車に抑えられ徐々に失速。モデル末期となった2019年における、年間(1月~12月)の新車販売台数ランキングは12位(7万4410台)だった。
新型フィットの販売台数
現行型フィットのライバルであるヤリスは、前述のとおり、2020年1月~12月の新車販売台数で15万1766台を記録し年間1位を獲得した。ただし、この数値はSUVタイプの「ヤリスクロス」やスポーツモデルの「GRヤリス」の数字も含まれており、フィットの直接的ライバルといえるハッチバック型ヤリスの販売台数は11万5300台。
よってヤリス単体の年間販売台数は同じトヨタの「ライズ」、「カローラ」に次ぐ3位となる。4位のフィットは、2020年の年間販売台数が9万8210台であったから、その差は1万7090台。販売店数がトヨタは全国で5000店を超える一方、ホンダは2000店台だといわれているから、見方によれば、フィットは善戦したとも言える。
ただし、2021年の新車販売台数では、これも先述のとおり、フィットの後退ぶりが目立つ。1月はヤリス・シリーズが1万8516台で1位だったが、ヤリス単体は8180台だったので、実質は4位ハリアーの9177台に次ぐ5位だ。それに対し、フィットは5889台で10位となっている。
また、2月は、やはりヤリス・シリーズが2万559台で1位、ヤリス単体では9950台だったから、3位アルファードの1万107台に次ぐ4位に相当する。それに対し、フィットは5782台で12位に順位を落としている。
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