逝去1年後、「志村けんロス」にどう向き合うか 「いない」という状態を受け入れる為の3つの方法

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そうは言っても、「『いない』という状態を受け入れて徐々に慣れていく」のは難しく、具体的な方法が必要。ここでは「いない」という状態を受け入れるために効果的な3つの方法を挙げていきます。

1つ目の方法は、似たような「ロス」を抱える人とコミュニケーションを取ること。たとえば、志村さんの不在を悲しむ人、家族やペットの死去に落ち込む人など、似た感情の人と言葉を交わすことで気持ちが楽になり、精神的な支えとなるケースがよくあります。

「自分1人で解決しよう」と思わず、似た経験をしたことのある友人・知人に話を聞いてもらったり、SNSで似た経験をした人とコメントを交わしたり、他人に頼ることが「ロス」軽減への第一歩。逆に、「理解してもらえないだろう」と感じる人とどんなに話をしても「ロス」は軽減されず、ますます悪化してしまう危険性もあるでしょう。

レコーディングと代替で気持ちが楽に

2つ目の方法は、対象との思い出や自分の思いを書きつづること(レコーディング)。「ロス」の状態になったときに避けなければいけないのは、「漠然と悲しみ続ける」という状態であり、この方法は「自ら書いて、それを目で見ることで、感情を整理することにつなげていく」というものです。これによって悲しみだけでなく、「ありがとう」という感謝の気持ちが生まれ、その分だけ気持ちが楽になっているでしょう。

3つ目の方法は、少しでも代わりになりそうなものを作ること。たとえば、志村さんなら交流が深く、「イズムを継いでいる」と言われる千鳥・大悟さんの出演番組を見て楽しむ。恋人を失った人は新たな恋人を、ペットを失った人は新たなペットを探してみる。このような“代替”を作ることは単に寂しさを埋めるというより、むしろ「ロス」の対象に思いをはせることになり、「いない」という事実を受け入れやすくなるという効果があります。

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