逝去1年後、「志村けんロス」にどう向き合うか 「いない」という状態を受け入れる為の3つの方法

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ただ、この“代替”を作る方法は、悲しみから逃避している初期段階では効果が半減。しっかり悲しんで、つらさのピークを過ぎたあとに“代替”を作ることで「ロス」を軽減させていきたいところです。

当然ながら、いずれの方法も「ロス」を完全に消し去るものではありません。これらの方法を実践しながら、「心の中に『いる』という事実を徐々に実感していく」ことにつなげていくことが大切なのです。

複数の拠りどころで「ロス」を最小化

ここまで挙げてきた方法を使っても「ロス」の軽減が難しいのは、対象が心の拠りどころになっていた人。たとえば、志村さんの存在や出演番組、大切な人やペットなどが、仕事や人間関係などの悩みから逃れる心の拠りどころになっていた人はダメージが大きく、「身動きが取れなくなり、引きこもってしまった」というケースがよく見られます。

そんなときに「これをすれば一気によくなる」という特効薬のようなものはありません。悩みと「ロス」を切り離し、それぞれを地道に改善していく形を採っていくしかないのです。

もともと悩みから逃れたいときの拠りどころは1つではなく複数を持つことでリスクヘッジをしておきたいところ。たとえば、志村さんの番組が悩みから逃れる拠りどころになっていた人は、それだけに執着せず、他の番組や他の芸人などの拠りどころも作っておくことで、「ロス」のショックを軽減させることにもつながります。

コロナ禍の重苦しいムードはまだまだ続きそうであり、そんな中で受ける「ロス」の悲しみは平常時以上に大きくなるものです。「いつ何を失うか分からない」。そんな時期だからこそ、複数の拠りどころを作ることで「ロス」のリスクヘッジをしておいたほうがいいのではないでしょうか。

木村 隆志 コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者

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きむら たかし / Takashi Kimura

テレビ、ドラマ、タレントを専門テーマに、メディア出演やコラム執筆を重ねるほか、取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーとしても活動。さらに、独自のコミュニケーション理論をベースにした人間関係コンサルタントとして、1万人超の対人相談に乗っている。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』(TAC出版)など。

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