LINEが8000万人のデータ管理で損ねた信頼 日本へのデータ移転は「止血」にすぎない

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3月1日に統合完了を受けて会見したが、20日余りで謝罪会見をすることに(撮影:尾形文繁、梅谷秀司)

3月1日にZホールディングス(HD)との経営統合を完了し、新たなスタートを切ったばかりのLINEが大きな課題を露呈した。

「ユーザーの皆様にご心配とご迷惑をおかけしており、心からお詫び申し上げたい。非常に多くのユーザーからの信頼を裏切る結果となったことを重く受け止めている」

国内で8000万人以上のユーザーを抱えるコミュニケーションアプリのLINE。中国の関連会社や業務委託先が日本のユーザーの個人情報にアクセスできる業務をしていたことが明らかになり、同社の出澤剛CEOは3月23日夜に会見を開いて謝罪した。

LINEは中国・大連の関連会社や現地の業務委託先で一部の業務システムやサービスの開発のほか、コンテンツの監視業務を任せてきた。会社側はこうした業務委託自体は個人情報保護法などに抵触しないとしているが、中国では2017年に施行された国家情報法で民間企業に国家の情報収集への協力を義務づけている。日本のユーザーのデータが中国当局の手に渡ることへの懸念の声が、日本政府などから出ていた。

ユーザーへの「配慮」が不足していた

出澤CEOは、中国からの日本ユーザーの個人情報へのアクセスをすでに完全に遮断し、LINEのコミュニケーションサービスに関連する中国での業務を3月23日にすべて終了したことを明らかにした。

中国での主な子会社や委託先は5社。そのうち大連にある子会社のLINEデジタルテクノロジーではコンテンツ監視ツールや社内管理ツールの開発・運用を、グループ会社のネイバー・チャイナと委託先の日系企業ではそのツールを使った監視業務を行っていた。これら各社ではユーザーから通報があった場合に、トーク(チャット)などのテキストや画像、動画、添付ファイルなどが見られるようになっていた。

別の委託先である日系企業では、独自の信用スコアを基に貸し付けを行うLINEクレジット社の中核システムの開発と保守が行われていた。そこでは氏名や携帯番号、メールアドレス、自宅電話番号、住所、生年月日、運転免許証などの本人確認書類番号までがアクセス可能だったという。

「中国での開発は長い間続けていたので、国家情報法が施行された後の潮目の変化を見落としていた。言い換えれば、ユーザーへの配慮が足りなかった」と、出澤CEOは語った。

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