五輪「侮蔑演出」外国人がドン引きの2つの理由 実は国際感覚とこんなにもズレていた

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国内においてもそうした傾向があるにもかかわらず、いまだに容姿をいじる案が出てきたことに驚きですよね。まして今回はオリンピックという、日本がホスト国となり、海外の人たちを招待して楽しんでもらう国際イベント。

そうした場で自分たちのなかだけでしか通用しない笑いの感覚を押し付けたとしたら、国外からはそれは笑いとして受け入れてもらえず、結果自分たちが損するだけのことに気がついてほしいです。グローバル化しましょうと言っても、このあたりの感覚が身に付かない限り、外国人の前で“ブタの演出”をやっても日本人が損するだけ。何がおもしろいのかわからないと言われるだけです。そもそも“オリンピッグ”なんてダジャレ、日本でも笑う人いなさそうですが。

国際会議で振る舞われる料理と同じように

国際会議などで振る舞われる料理1つとっても、それぞれの国、民族では何が食べられないのかを踏まえたうえで、シェフはその会食にいちばん適した食材を選び、その条件のもと腕を振るうわけですが、それとまったく一緒。

国際イベントではセンセーショナルさをウリに、みんなが気持ちよく楽しめるものを作ることも一方で大事。すべての人が満足する、無難なところのなかで、いかに想像力、発想力を発揮するのか──。そういう難しいところを求められているからこそ、演出メンバーとして選ばれているわけでしょ。

それなのに、人間を動物に例える、そして容姿をいじるという二重にアウトな感覚を持った人が、国際イベントの統括をしていたということに驚きました。今回唯一救いだったのは、きちんとした国際感覚を持ち、彼を注意する人間が周りにいたことですよね。万が一企画がそのまま通っていたら、本当に恐ろしい話になっていたと思うので……。世界中がドン引きでしたよ。

フィフィ/FiFi
タレント。'76年、エジプト・カイロ生まれ。テレビ、ラジオ、ウェブメディアで活躍中。2歳のときに家族で日本へ移住、中京大学情報科学部卒、卒業後渡米し、帰国後に日本の音楽関連企業に就職。その後、ニックネーム「ファラオの申し子」としてタレント活動を開始。'11年の「アラブの春」に際してつづったブログで注目を集め、以来、国内外の社会問題について鋭い発言を続けている。一児の母。著書『日本人に知ってほしいイスラムのこと』(祥伝社)
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