五輪「侮蔑演出」外国人がドン引きの2つの理由 実は国際感覚とこんなにもズレていた
例えば、2018年にスウェーデンの大手ファストファッションブランド『H&M』が、英国版のオンラインショップ内で、『ジャングルでいちばんクールなサル』と書かれたパーカーを黒人の男の子に着せていたため、世界各国から批判されました。サルと書かれた服を着せるだけでも炎上するほど、“動物イジリ”には敏感なんですよ。しかも、黒人への人種差別も含まれている。同社は謝罪に追い込まれ、サイト内の画像を削除することになりました。
また、こちらは極端な例かもしれませんが、中国の習近平国家主席が一時期、『くまのプーさん』に似ているとSNSで話題になったことがありましたね。これを受けて中国では、インターネット上の検閲を強化してプーさんに関する画像やテキストを締め出す措置をとりました。
今回問題となった佐々木氏は、過去にもソフトバンクの白戸家のCMを手がけ、お父さんを犬に例えていたくらいなので、人間を動物に例えるという感覚に違和感がなかったのかもしれません。だけどそれは国際的に見ると、非常にズレた感覚なんです。
また、ネットでは今回の報道を受けて、“相手は芸人さんだから、いじってもらってなんぼじゃないですか”といった意見もありました。本人がいいならいいじゃないかという考え方ね。だけどたとえ本人がOKであったとしても、なかにはそうした“いじり”で傷つく人もいる。容姿をいじる笑いのとり方が日本ではオーソドックスだったとしても、その風潮を今後も広げていって社会のなかで当たり前にしてしまうと、誰かを平気で傷つけることにつながりかねないわけです。
日本がホストのイベントなら
容姿という生まれつきの特徴を露骨に指摘したり、その特徴をつかんでまねしてイジるといったこと自体、海外ではからかっているとみなされてアウト。スタンダップコメディで大統領のしゃべり方をまねしたりするけど、あれは侮辱・からかいの意味が込められており、いわゆる日本でいうところの“モノマネ芸”とは異なります。
そうした流れを受けて、最近では日本においてもルッキズム(容姿による差別)が浸透してきて、たとえプラスであっても容姿に関する特徴について露骨な表現は抑える傾向にあります。