まだ「スキルアップに囚われる人」の残念な未来 「ポジション思考」に転換すべき深い理由
新時代にこのような「スキル思考」に代わる考え方となるのは「ポジション思考」です。ポジション思考とは、目指すポジション、すなわち役割を明確化して考えることです──。
『転職2.0』の著者であり、アメリカ・人材系ビジネスの最前線企業・リンクトイン日本代表の村上臣氏はそう言います。「キャリアのオピニオンリーダー」として活躍する同氏に「ポジション思考」とは何かを聞きました。
我慢しながら働くことになる理由
世の中で転職を考えている人の中には、やみくもにスキルをつけてキャリアアップを狙っている人がいます。やる気だけを原動力に、とりあえず英会話スクールに通ってみたり、社会人大学・大学院に通ってみたりするようなパターンです。
もちろん英語を習得したり、MBAを取得したりすることには大きな意味があります。しかし、目的がなく行動するのは問題があります。わかりやすく極端な例を挙げれば、国内に閉じている業種・業界でのキャリアアップを狙う場合、英語ができてもあまり有利にはなりません。
ただやみくもにスキルを身につけても、結局自分の市場価値は上がらす、望みどおりの転職ができないということになりかねないのです。
そもそも、転職に際して、なぜ多くの人がスキル思考に執着しているのかというと、会社でやるべき仕事が不明瞭だからです。
総合職とは、平たく言えば「どんな仕事でも言われたことはやる」ということ。そこで「能力」とされるのは課題遂行能力、職務遂行能力であり、実態は漠然としています。
仕事の内容が漠然としていると、成果も判断しにくくなります。だから多くの会社では、年次や経歴の長さに応じて昇進や昇給が決定されているのです。
「君もそろそろ○年目だから、ここで課長になったほうがいいだろう」
「5人の部下を抱えて3年目になったから、もう1段ステップアップしていい頃合いだ」
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