総合商社は、世界に類例のないビジネスモデル

三井物産・槍田会長×ライフネット生命・出口会長(3)

 世の中には、論理的思考やMBAに関するビジネス本があふれている。そうした知識も重要だが、文学、哲学、歴史といった「教養」を抜きにしては、真の一流になることはできない。また、世界を舞台にビジネスをする上でも、「教養」は不可欠になる。そこで、ビジネス界きっての教養人として、経営の最前線で活躍する三井物産の槍田松瑩会長とライフネット生命の出口治明会長兼CEOに、一流の仕事人に必要とされる「教養」について、語ってもらった。
●その1:今の日本人は、本当に教養がないのか? はこちら
●その2:世界の舞台で自分の考えを話せるかどうか はこちら

商社は日本独特の業態

――出口さんが前回おっしゃったように、日本はずっとひとつのモデルでやってきて、新しいモデルをつくりきれませんでした。しかし商社という業態を見ますと、昔は物流ビジネスをやっていたのが、今は投資業をしたりして新しいモデルを見いだし、より多様性のある企業に脱皮できたという感じがします。

槍田:そうですね。これはもうほかの国やほかの業界では例がないくらい極めてユニークで、しかもいいモデルだと思っています。今まではそれこそ輸出入、売り買い、物流で仕事をしてきましたが、それでは十分な価値を生むことができずに飯を食っていけないとなれば、次は投資だということで、いろいろな分野に投資をしていくようになりました。そうとうリスクもあったのかもしれませんが、ずっと輸出入や売り買いの仕事をしてきたその同じ社員が、100億、200億、場合によっては1000億円もの投資の仕事をハンドルできるように変わっていけたことには価値があると思います。

普通はそれだけ仕事を変えようと思うと、いったん社員の総入れ替えくらいしないとどうにもならない。ところが喜ばしいことに、うちの社員は仕事を通じて変化に対してしょっちゅう対応しているうちに、こんなに大きな環境変化に対しても、うまく乗り越えていけるようになったのでしょう。もちろんしんどいけれど、気力と意欲でビジネスモデルを投資のほうに転換できたということは、僕は誇るべき変化だと思っています。もしこの仕事がうまくいかなくなったとしても、この社員たちなら、また次の新しい仕事のやり方に、みんなで切り替えていけるという自信はありますね。やはり人は財産です。

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