元婚約者と「20年後に結婚」した人の衝撃の真実 夫は美化し、妻は見えなかったよさを発見した

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「それ、ちょっと待ってくれ。妻に離婚してくれと話したから」

雅俊さんの返事は予想外のものだった。頼子さんとは毎週のように会ってはいるものの手も握ってはいない。しかし、雅俊さんは、定年後も愛情のない妻と暮らすのは無理だと判断。離婚に踏み切った。

「そのことに責任を感じました。彼は軽々しく離婚をするような人ではないからです。友人関係とは言え、20年間で連絡を取り合っていた重みもあります。告白してくれた男性には事情が変わったと説明して謝って、雅俊さんとお付き合いすることにしました」

元婚約者には家族愛に似た感情が芽生えるのかも

雅俊さんは20年前に大好きだったのに結婚できなかった女性として頼子さんを非現実的なまで美化していた。頼子さんとたまに会うと、酔いに任せて「ヨリコは高嶺に咲く花みたいなもので~、摘んで帰ってきてはダメなんで~」と話していたらしい。

「わけわからないことを言っているな、と思いながらも、夢を壊しちゃかわいそうなのでそっとしておきました」

少し上から目線の感想ではあるが、元婚約者には家族愛に似た感情が芽生えるのかもしれない。

ジョンさんとの離婚後、頼子さんは「小さくて古いマンションの一室」を購入して娘と暮らしていた。雅俊さんとの新婚生活もその部屋でスタート。娘のほうは今ではオーストラリアで高校生をしている。ジョンさんの両親が近くにいるので安心だ。

「娘からは『彼氏とかは作らないでほしい』と言われていました。今でもFaceTimeで毎日通話するほど私にベッタリな娘は、ママを取られてしまう気がして嫌だったのだと思います。雅俊さんとの再婚にも反対していましたが、今ではテレビ電話越しに挨拶をするぐらいにはなりました。娘が小さかった頃、彼からプレゼントをもらったりもしていたので知らない仲ではないのがよかったのかもしれません」

娘のことは大好きだけど早く自立してほしいと語る頼子さん。雅俊さんとの結婚の直前、外での仕事は辞めた。職場でもモテてしまう頼子さんに一方的な思いを寄せた30代後半男性がストーカー行為をするようになったからだ。現在は、不健康な生活が長かった雅俊さんを楽しく「長生きさせること」に専業主婦としての情熱を燃やしている。

次ページ毎晩が小料理屋ごっこだと幸せそうに笑う頼子さん
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