横浜臨海部に残る「米軍専用線」を知ってますか 日本初の「溶接鉄道橋」3月返還後はどうなる?
しかし、輸送手段が鉄道から道路に変わったことなどに伴い、米軍専用線は徐々に減っていった。厚木基地(神奈川県綾瀬市・大和市)向けの「米タン」は1998年に運転終了。相模鉄道(相鉄)の相模大塚駅に接続していた厚木基地専用線の線路は最近まで残っていたが、2017年の返還後に線路の撤去が始まった。三沢基地(青森県三沢市)の専用線も2006年に使用を終了しており、一部は線路が撤去されている。
瑞穂埠頭の専用線の場合、実際に返還されるのは約1400平方mの土地とレールなどの工作物。瑞穂埠頭の外(高島線の分岐点から瑞穂橋梁まで)は土地と工作物が返還され、瑞穂橋梁から横浜ノース・ドック内にかけては工作物のみ返還される。
日本初「溶接鉄道橋」の行く末は?
防衛省の南関東防衛局によると、瑞穂埠頭の外にある土地は、国鉄の貨物輸送を継承したJR貨物に返還される。しかし、それ以外の工作物は瑞穂埠頭の内外とも国有財産で、南関東防衛局が撤去工事を行って処分するという。撤去工事の時期は未定だが「返還後は速やかに原状復帰して元の地主に返すのが原則」(南関東防衛局)のため、そう遠くない時期に専用線の姿を見ることができなくなりそうだ。
とはいえ、日本初の溶接鉄道橋である瑞穂橋梁がそのまま撤去されてしまうのは、ちょっと惜しい気もする。現地保存は難しいかもしれないが歴史的な価値もあることだし、どこか別の場所に移設して保存できないものかと思う。
ちなみに、現在も使われている米軍専用線は、青梅線の拝島駅に接続している横田基地専用線と、鶴見線の安善駅付近にある鶴見貯油施設専用線の2つしかない。「米タン」も横田基地向けに安善ー拝島間で週2回程度、運転されるだけになった。いずれ「米タン」も運転を終了する日が来るのだろうか。
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