警備会社の「50代部長」がTikTokで大人気のワケ 若者に「おじキュン」と評判、その狙いは…?

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雇用に困っている方向けの採用募集動画も(画像:大京警備保障のTikTokより)

同社はコロナ禍で仕事に困っている人に向けて、PR動画も配信している。実際に、TikTokの経由で応募した20代の男性警備員もいる。「九州から上京してきたんですが、コロナの影響でアルバイトが見つからず、10社受けて全滅でした。TikTokでたまたま弊社の求人を見つけ、すぐ応募したところ採用されました」と語っていた。

企業アカウントが少ない今がチャンス

こうした企業初のTikTokは今後広がるのだろうか。TikTokに詳しく、多くの企業にSNSのコンサルティングを行っているSNSコンサルタントのりゅートリックスさんは、「TikTokはまだ企業アカウントが少ないので、チャンスがある」と話す。

「TikTokを広報活用したいと考える企業も増えていますが、『いったいどうしていいかわからない』という意見が非常に多いです。僕がおすすめしているのは、あまり作り込みすぎないものです。一般人がフォロワーを増やすならYouTubeのように面白さや企画勝負になりますが、企業アカウントはあくまでも、『社内のわいわいした感じ』といった雰囲気が伝われば、十分効果的ではないでしょうか」(りゅートリックスさん)

ブラック企業やパワハラが敬遠される今、会社の日頃の楽しげな雰囲気を伝えればいいのだという。大京警備保障についてはこう分析する。

「『楽しそうで、ホワイトな会社』というほんわかした雰囲気が一貫していて、安心感があります。最初の投稿で流れを作ったあとは、TikTokではやっているネタにひたすらのっかっているのもいいと思います。求められているのは、あくまでも軽いノリ。企業アカウントは、それだけでギャップがあり、インパクトがあります。

働きたい会社があったとしても、内部のリアルな様子はなかなか把握できません。OB・OG訪問したり、採用サイトを調べたりしても、実際はわからないですよね。その点、動画は情報量が多いし、偽ることができないので、実際のところが伝わりやすいです」(りゅートリックスさん)

りゅートリックスさんはさらに、リスクなく広報活用するなら、「企業」ではなく「社員」アカウントをおすすめしたいという。

「企業アカウントは責任が伴うので、コンテンツ選択のミスで炎上のリスクがつきまといます。企業としての発信はリスクが大きいですが、個人でなら会社にまで飛び火しにくい。企業アカウントでバズを狙うのではなく、社員自身がインフルエンサーになるのがいいと思います」(りゅートリックスさん)

データ分析企業のApp Annieは、TikTokは2021年度もさらに利用者の拡大が続くと予測している。うまく乗りこなす企業は出てくるか――。

小沢 あや コンテンツプランナー 、 編集者

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おざわ あや / Aya Ozawa

音楽レーベルで営業とPRを経験後、IT企業を経て、2018年に独立。エッセイのほか、女性アイドルやミュージシャン、経営者のインタビューを多数執筆。Engadget日本版にて「ワーママのガジェット育児日記」連載中。豊島区公認の池袋愛好家としても活動している。

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