警備会社の「50代部長」がTikTokで大人気のワケ 若者に「おじキュン」と評判、その狙いは…?
「若い人がみんな知っているアイテムを前にしても、中年の男性社員は毎回新鮮なリアクションをとってくれます。それがかわいらしく見え、ウケているようです」(畠山さん)
今こそ人気アカウント化しているが、最初は手探りだったという。ひたすらにTikTokを使いこみ、そこで気づいたことをどんどん投稿に盛り込んでいったそうだ。
「まずは考えるよりやってみよう!と、スタートしました。でも、社内の中年男性だけだと難しいので(笑)、はやりモノを組み合わせています。検索ワードでひっかかりますし、自然とフォロワーも伸びていきました。やっていくうちに、フォロワーさんから『部長に◯◯を食べてほしい!』などのメッセージも届くようになったので、企画にも取り入れています」(畠山さん)
「ツッコミどころ」が大事
畠山さんが実践するコツのひとつに「ツッコミどころ」を作る、というものがある。
「視聴者がリアクションしやすい内容なら、反応がたくさんあり、視聴数も伸びます。あえて、みんなが仕事をしている中で、ひとりだけが踊る投稿をしたのですが『会社でなにやってんだよ(笑)』など多数のリアクションがありました。そんなふざけたことができる=風通しがいい会社、というイメージを持っていただければ、採用応募のハードルも低くなると考えています」(畠山さん)
TikTokにはまだ中小企業のアカウントは多くないため、今は完全にブルーオーシャン。しかし、畠山さんは慎重だ。「宣伝でやっている感が出てしまうと絶対に見てもらえないので、社員が楽しんで仲良くやっている空気を伝えようと心がけています。部長も最初は恥ずかしがっていましたが、今はノッてきていますね。やっぱり、本人が楽しんでいることがいちばん大事です」と語る。
アカウントに投稿している動画はすべてiPhoneで撮影し、編集もスマホだけで行っている。短い尺の動画でも「より楽しんでもらえるものを」と考え、撮影から投稿まで3〜4時間かかることもあるそうだが、畠山さんも日々楽しく業務に取り組んでいるという。
同社アカウントで人気の「部長」こと和田浩幸さんは、もともとTikTokについてまったく知らなかったそうだ。
「想像すらできないから、会社にどんな影響があるのかも検討がつかなかったし、まるで『地球の裏側で行われていること』のような感覚でした」という。
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